青春を部活に捧げる | ナノ




「…テカメガネ先輩、案外やるねー」



どうも。上原愛子です。久しぶりに自己紹介とかなんだろね。はずっ。あたしは今桃ちゃんを探しに、ストリートテニス場にきています。直感でここに来たならあたしは明日から天才とののしりたいところですが、残念ながらこの直感はテカメガネ先輩による推測です

くっそ。レギュラーになったからって調子に乗っちゃって。あたしなんか一年生初の準レギュラーだぞこのやろー!

まあ一人でそんな自慢を思いながらストリートテニス場に着いたわけですが、なぜあたしがテカメガネ先輩を生まれて初めてほめたかといいますと、桃ちゃんがここにいるからです。ぎょくりんの人に会ったのでそれは確かかと…。あの人たちあたしのことをよく覚えていました。「あ。試合妨害したやつ」って第一声がこれでしたからね。爆笑。あのときのことちゃんと覚えていたなんてね

あのときっていうのは偉そうな俺様野郎の試合を妨害したときです。あのときはあたしもサル呼ばわりされて怒ったなあ〜…。まあ今日はそんなやつもいないだろうし、適当に桃ちゃんを連れて帰ろう。そしたらゆーちゃん先輩もきっと喜んでくれるはず!













「なんでいるの」


あたしの視線の先にはあたしをサル呼ばわりしたやつと、その他ゆかいなお仲間たちが



「愛子ちゃん!」
「あ?なんだ、上原か。なにしにきたんだよお前」
「なんだじゃありませんよ。聞いてませんよあたし」
「なにを」
「なんであいつがいるんですか」
「は?ああ、跡部さんか」


うっわめんどくさー。超めんどくさい。あの人たちいたら絶対からまれるじゃん。とっとと桃ちゃんつれて帰ろう。なにを話しかけられても無視しよう。そうしよう。杏ちゃんさん、ごめんなさい。またお話しましょうね!





「あんた、なにしてんの」


って、えええええええええええ


「なにしてんの越前くん!いつからそこに!?」
「こっちの台詞。ていうか俺ずっとここにいたんだけど」


なんていう予想外のできごと!まさか越前くんがいたなんて!あたし越前くんのことでへこんでたのに、どうしよう、腰が痛くなってきた…あいたた




「お前が一年生レギュラーか」



あーしまった。すぐに帰ろうとしたのにからまれてしまった。ったっくもー!あたしの計算狂いすぎだよ越前くんのせいで!こうなったらもうどうでもいいや!



「準レギュラーですけどなにか!?」
「…………………」
「…………………」
「…………………ん?」



あれ?まずった?

2010/9/26