青春を部活に捧げる | ナノ




『絶対絶対勝ってください』
「もちろん、と言っておきたいけど…山吹戦はすこし手こずりそうな戦いだ。亜久津がいるからな」


テカメガネ先輩はノートを開いて集めた情報を勝手に話し出した。勝手にです。聞いてません←


『大丈夫ですよ。タバコ吸ってて無呼吸になるんですから』
「無呼吸にはならないぞ」
「てか愛子ちゃん字きたないね〜」


ほっといてください、は字にかかないとして。そんなにあのたばこは強いのか…。しかもあのナンパ男はジュニア選抜とかいうやつに出てるから、強いらしいし。ていうかジュニア選抜ってなんだ?



「あれ?越前のやつどこに行ったんだ?」
「あ。リョーマくんなら少し休んでいくって言っていました。時間になったら呼べってことです」


カチローくんは変わった形の頭をした先輩にそういうとその先輩はまったく…、とその頭を指でかいた

ていうかカチローくん、あなたは執事ですか。時間になったら呼べって、越前くんは何様ですか


「試合もすぐに始まるから越前を呼んでおいてくれないかい?」
「はい!わかりました」



だん、だん、だだん!



「…どうしたの愛子ちゃん?」


はい、今のだだんはあたしのじだんだです。ノートだけじゃ気づいてもらえないからね


『あたしもいく!』
「そう。じゃあいこっか」


越前くんにお説教できるチャンスだからねーくふふ







「うっそだーん」


え、なにこの可愛い子


『越前くん、越前くん』
「なに?」
『誰ですかこの女の子』
「さあ?知らない。しかも女子じゃないと思うけど」
『え』


カチローくんよりいち早く来たあたしは越前くんと一緒にいる女の子のような男の子を発見し、どきどきしながら熱い視線を浴びせていた。いわゆる、ガン見である

最初はまたこいつ女の子に色気だしてたのかよ、けっ、とか思ってたけどこの子ならそれでもかまわないかな。ていうかお嫁に来てください


『あたし上原愛子っていいます。お名前教えてください』
「えっ、僕ですか!?壇太一です」


壇、太一…!


「なに悶えてんの」
『可愛すぎる名前に萌えてるんです』
「あっそ」


壇くんって可愛いすぎる!階段の壇くんでもなぜか可愛い。意味が違う?んなことないない


「えっと愛子さんは女子ですよね…?」
『うんうん、そうそう』
「…ふつうならあんたそこで怒ってるよね?」
『壇くんだから許す』
「差別じゃない?」
「えっと、応援ですか?それとも僕と同じマネージャーですか?」
『あ。いびりに来たんです』
「は?」
「いびり…ですか?」


そう。あたしがここに来たのは越前くんに誘われたとか男子の優勝を願ってとかじゃなくてただ単に笑いにきただけなんです、うふ


「あんたって最悪だよね」
『うふ』
「そうなんですか…。テニス、やってるんですか?」
『うん、まあね〜。壇くんは?テニスやってるの?』
「えっ、僕は、マネージャーです」


テニス部ってマネージャー有りだったんだ〜!うちの部じゃやってないからないのかと思ってた〜。うわーそれなら女子テニス部のマネージャーやりたかったな


「んで、なにしにきたわけ?」
『越前くんを叱りにきた』
「…なんで」
『カチローくんを部下にするのはやめなさい』
「してないし」
『むきーっ!』
「紙で書くと迫力なさ過ぎ」


結局あたしはなにもせず、カチローくんが後から越前くんを呼び戻しましたとさ。あたしなにしに来たんだっけほんと。まあ壇くんと友達になれたからいっか


2010/9/25