青春を部活に捧げる | ナノ





なんでだろう。越前くんに助けてもらってからなんとなく、きゅん、って心臓が収縮?する感じがするこれはいったいなんなんだろう…?そう思って越前くんのクラスを通るときとか、すれ違うときとか越前くんをがん見してたら


「…なにじろじろ見てんの?」
「えっ、いや別に!」
「きもいからやめてくんない?」

「………………きもくないー!!」



どうやら一時の気の迷いでした
はい。これで確信しました。恋でもなんでもありません。助けられたから調子に乗ってたんだなあと自惚れてた自分を捨てました




「きゅんて言ったのはきっと…自分に恋をしてたんですよ。そう、恋に恋する自分に恋する〜みたいな」
「ごめん全然わかんない」


しょーこ先輩は恋をしたことがあるのにも関わらずあたしの恋心がわかってなかった!なんでですか先輩!彼氏いるんだからこの言葉わかるでしょう!?


「彼氏いるいないじゃなくてあんたの日本語自体意味不明」
「ほらあたしの気持ちわかりません?」
「ぜんぜん」

「……」


いいから練習しろとしょーこ先輩にげんこつ食らわされてあいたーって叫びながらもあたしは練習に戻った






「愛子ちゃん、リョーマくんのこと好きな…「うわあああああ!んなわけない!そなことない!誰がねあんな冷徹氷点温度−100度みたいなの好きなわけないでしょー!」


桜乃ちゃんはあたしに越前くんのことが好きなのかと聞こうとしたんだって気づいたあたしはその誤解を解こうとかなり早口でしゃべっていました

結果的には、そうなんだ…って桜乃ちゃんを逆に困らせるようなことしちゃったんだけど、誤解は解けたかな?



「でもなんでそんなこと聞いたの?」
「え?だって愛子ちゃん、私に相談してきたでしょ?」
「…そうだった」


すっかり忘れてた。最初の冒頭部分で言ったことをそっくりそのまま桜乃ちゃんに話してしまってた


「あれはね、どうやら気の迷いだったらしいのです」
「気の迷い…?」
「うん!だから気にしないでね」


…にしても桜乃ちゃんには困らせちゃったなあ。今度から気をつけよう!






「そういえば天気悪いね。そろそろ昼だし練習やめようか」
「さんせいです!」
「愛子だけは素振り100回ね」
「なんでですか!」
「あんたが一番最初に賛成って言ってどうすんの」
「だからってなんで素振り…」
「じゃあ男子のコートをまわって走ってきなさい。10周」
「ぶちょーですか!」



てなわけで天気が悪い中走ることになっちゃいました。たまにしょーこ先輩にはぶちょーを感じさせるところがあります。直感なんてもんじゃありません、長年の経験からです



「あれ?越前くんと不二先輩試合してるや」


不二先輩って強いのかな?え?いまさら?

2010/9/25