青春を部活に捧げる | ナノ




あの越前くんが!あの越前くんがあたしに大会を見に来いって

見に来い…って!


「病気でもしたんですかね?」
「知らないわよ。さっさと練習して愛子」
「はーい」


しょーこ先輩に怒られてあたしはテニスラケットを握ろうとしたけど


「トイレ行ってきます!」
「あ、こら愛子!」








「ふー。しょーこ先輩夏までいるからまだまだ大変だな〜」


トイレは女子コートを抜けてちょっとしたとこにあるけど男子のコートと近くて女子の先輩たちは違う道を通ってトイレに行ってる

そんなに男子が嫌いなのかな…。たしかにぶちょーに走らされるのはいやだけど他はそんなに悪い人たちじゃないんだけどな

そのとき


ぼこっ

「…ぼこっ?」


トイレから出て行くとどこかでぼこって音がした。気になって音が鳴るほうへ行って見ると


「荒井先輩!」


どこかで聞いたような声が聞こえた。あれ?この声はカチローくん?


「カチローくん!?」


あたしがカチローくんの声が聞こえたほうに行ってみると荒い(漢字がわからない)先輩は木の下に倒れてて、カチローくんの周りにはボールが転がっていた

その近くには見たこともない制服を着た人が立ってた


「愛子ちゃん、逃げて…」
「なんでこんな怪我…」
「あいつ、すごく危ないんだ」
「…あいつか」


あたしは荒い先輩が止めるのも無視して白い制服を着ているやつの目の前に立った

ん?白い制服?どっかで見たことがあるぞ…あああ!!


「ちょっとあんた!」
「ああ?」
「あんたの学校に頭オレンジ頭がいるでしょ!」


あたしが言ってる頭オレンジ頭はこの前来たナンパ男のこと。この人が着てる制服はまさしくあの頭オレンジ頭と同じ制服だったから


「そいつに会ったら面食い!ナンパ!たらし!って言っといてください」
「は?なめてんのかテメー」
「マジで言ってるんです」
「俺はあの頭見ただけで吐き気がする。無理な話だ。自分で行け」
「あたしだって吐き気しますよ。ちなみにあんたの頭も」
「…調子にのんなよチビ女」
「うっせタバコ!」


そしたらタバコはあたしに平手をくらわそうとしたのか大きく振り構えた

「!」

あたしはそれに感づいて手で受け止めた


「…ほう、やるじゃねーの」
「へっへ。力だけは自信があるんです」
「そうかよ」


な、ナイスあたし!まさか受け止められるとは思ってなかった

いつも越前くんに会うときの肩をたたくだけの動作が越前くんには痛いらしいから怪力には自信あったけど、まさか喧嘩でこれが発揮できるとは思ってなかったからね

でもこっからどうしよう!

2010/9/25