青春を部活に捧げる | ナノ






「いや〜えーと、いいんですか?こんなにたくさん…」
「いいのよ〜!さ、温かいうちにどうぞ」
「い、いただきます!」


なにがあったかと言いますと、
越前くんとラリーを続けている最中にサムライなんじろうに見つかって、せっかくだからご飯食べていきなさいなんて言うもんだからあたしは食欲に負けて晩ご飯をいただいてます

だってね、人間の最大の欲には勝てないんですよ。なんて言いながらあたしはばくばくご飯を食べていた。お米最高。



「どんどん食べていいのよ。けっこう作りすぎちゃったからね〜」
「ほんと!おいしいです!おかあさん!」
「んまあっ、ご飯おかわりいる?」
「はい!」


これでご飯4杯目




「うはあ、ごちそうさまでした。すみません6杯も食べてしまって」
「いいのよいいのよ。皿洗いまでさせちゃってごめんね〜」
「いえいえ!いつも家でやらされてますから〜」

「助かるわ〜、かわいい娘ができたみたい」
「ほんと。妹ができたみたいですね」


あたしは後片付けをおかあさんと菜々子さんと横並びになって皿洗いをしていた。越前くんと南次郎おじさま(って呼んでくれって)は居間で寝転がってテレビを見ていた

ああ、なんか家族団らんを過ごすってこういうことだよね



「リョーマ、愛子ちゃんを送っていきなさい」
「はあ?」
「はあじゃないでしょ。こんな時間に女の子一人で帰らせるつもり?」
「…わかったよ」



………折れた!!あの越前くんが折れた!おかあさん強い!あたしもその強さが欲しいです!




「あ〜おいしかったー!越前くんごちそうさまです」
「…。ま、べつにいいけど。うるさい猫が一匹増えたみたいだったから」
「いい!今日は許す!そのかわりまた越前くん家行ってもいい?」
「やだ」
「いいもん。もう家の場所知ったからいつでも遊びに行くもんね」
「…ストーカー」


ひさしぶりに越前くんと話してうれしかった。そりゃあ今でも会話負けしちゃうけどさ、すごくたのしかった


「…あんたさ」
「ん?」
「テニス好き?」


越前くんが質問するのはめったにないことだったけど、テニスのことだからまあ納得


「好きだよ。最初はお姉ちゃんの影響だったけど、いまは部活がすべて〜みたいなだから」
「…でもこれからあんま試合ないんでしょ?」
「うーん…ないかも。よくわかんないけど」
「あんた、テニスやってないと忘れそうだよね」
「……うん、まあね」
「だから…研究ついでに俺の試合見に来れば?」
「………んっ?」


これは……えっと、お誘い!?


「行く!絶対行く!全国大会決勝まで見に行く!それまで残っておいてよ?」
「もちろん」

2010/9/25