青春を部活に捧げる | ナノ



「だれ?あなたたち」
「アーン?女もいんのか」
(隣のやつでけー)
「関係ないでしょ。それより今、弱者なんて言ったわね」
「ああ。言ったぜ」
「ここにいるみんなは弱くなんかないわ!」


男ふたり相手に立ち向かう杏ちゃんさんはかっこよくて威勢がよかった。すごいなー杏ちゃんさん。あたしなんか越前くんすら撃沈なのに


「なら俺様が勝てばこいつらは弱者ってことだ」
「なんだと!」

あ。なんだとって言ったのはぎょくりんとかいう人たちです

「いいわ。じゃああんたがここにいる全員に勝ったらデートしてあげてもいいわよ」
「ほう」

…え?まじですか杏ちゃんさん。この俺様な人かなり本気に信じてそうですよ?



結局あたしにストレートで勝った人たちもあの俺様なやつらに負けてしまった


「ほら約束どおりデートしてもらうぜ」

つっっよ!この人たち強いなあ。あっという間に勝っちゃったよ…。上には上がいるもんですね


「いや!離して!」
「約束だろ?」


…でも

「ちょっとまったああああ!」
「?」
「愛子ちゃん…」


あたしは感情がおさえきれなかった


「隣のやつでかくないですか!名前はなんて言うんですか!」

「……………」
「……………」


あたしは俺様の隣にいるでっかい人を指差して叫んだ。あれ?みんななんで静かになったんですか?え?なんか悪いこと言っちゃったのかな


「…なんだてめーは」
「上原愛子です!一年です!」
「そうかサルは帰れ」
「サルーーー!!?」


サル呼ばわりされたんですけど!初対面のやつにサル扱いされたんですけど!なんだ!なんであたしはいつもこう邪魔者扱いされるんだ!


「サルじゃないですよ!上原愛子です!名前くらい覚えてくださいよ!ていうか名前名乗りなさいよ!」
「てめーが俺様より強かったら教えてやる」
「そんなの無理に決まってんでしょ!ばーか!」
「ばっ、てめーこの俺様にむかってバカだと!?」





「杏ちゃん!」
「神尾くん!と、桃城くん!」
「なんだ?上原もいたのか?」
「なにがあったんだ杏ちゃん」
「えーっと、いろいろあって…」



「言っておくが俺様は学園トップの成績だぞ」
「はん!だからなんだってんですか!あたしなんか毒舌一位ですよ!」
「自慢になってねーじゃねーか!」
「うっせばーかばーか」
「ガキかテメーは!馬鹿馬鹿言うんじゃねえ!」

2010/9/25