青春を部活に捧げる | ナノ




「だから、なに?」

「だーかーらー!ゆーちゃん先輩は桃ちゃんが好きだから協力してほしいんですよ」
「無理」
「無理じゃない!」


桃ちゃんと一番仲がいい越前くんに聞くのが一番いい方法だと思いあたしは越前くんに相談することにした



「協力ってなんで俺がしないといけないわけ?」
「しないといけないからです!」
「俺図書委員の仕事あるから」
「いやあたしも練習あるから!」
「じゃあ余計無理じゃん」


あたしは越前くんに撃沈されて一人置いてけぼりにされてしまった。いつも越前くんに負けてばっかだよあたし…。たまには口喧嘩で勝ってみたいものですな

っていうか越前くんが図書委員?えっ初めて知ったー!!そんなキャラだったのですかあの人!いーやー初耳!あーあ。図書委員なんてキャラじゃなかったら今ごろあたしと越前くんはゆーちゃん先輩の恋の手伝いするつもりだったのに…。ゆーちゃん先輩になんて言おうかな…



「こんにちはー」
「あ。愛子」


あたしは着替えてコートに入ると先輩たちも今来たみたいでおしゃべりをしていた。でもなんか異様な空気…?先輩たちはフェンスの向こうをちらちら見ながら「いやー」なんて言ってる


「どうかしたんすか?」
「あそこにさ、変な男がいるのよ」
「変な男?不審者ですか?」
「いやー…普通の中学生らしいんだけど、さっきからこっちばっか見てて気持ち悪いのよ」


…切原さんは良くても他の男はだめなのか。まあそれは置いといて。結局その不審者はこっちを見てにやにやしながらどっか行ったから先輩たちも安心していた

ていうか明らかに他校の生徒だったんだけど、ここに入ってきてよかったのかな?ま。いっか。あたしも前に切原さん連れてきちゃったしー


「ところで桜乃ちゃん見てません?」
「竜崎さんならコートの外でボール打ちしてるわよ」
「ボール打ち?」


あれか。壁打ちっていうやつですか?え、ちがう?ボールにゴムがついている?日本語ワカンナーイ


2010/9/25