青春を部活に捧げる | ナノ








地区予選が始まって先輩たちは見事に決勝までのぼりつめて一気に都大会への出場が決まった

それから桜乃ちゃんの友達が男子の試合を見に行けって連絡があってあたしも一緒に連れてかれることになったけど




「しょーこ先輩」
「なに?」
「テニスって目から血が出る競技なんですか」
「普通に言って出ないね。ていうかそこで冷静になるあんたの頭のほうが気になるね」


仮にも同級生が血流してんのよ?って聞くけどあたしにはどうってことなかった。もっとも桜乃ちゃんは冷静さを失ってわたわたしてるけど。まあまたそこが可愛いんだけど!


「ここで冷静さを失ったら終わりですよ。たかだか目から血が出たくらいで騒ぎすぎなんですよ」
「いやあれは事故にも近いくらいのもんだと思うけど。たかだかで終わらしていいの?」
「いいんです。どーせ不死身なんですから越前くんは」


あたしなんかね!あたしなんかフェンスに頭ぶつけても死ななかったんだから大丈夫だっつの!


「それはあんたが石頭なだけだから」
「…………」








「リョーマくん大丈夫?」
「別に。どーってことない」
「えっちぜんく〜んだいじょうぶ〜?」
「うるさいあんたどっか行ってくんない?」


なんだこの違いは!
なんで桜乃ちゃんが聞いたときはちょっと優しいんだ!いや優しいといってもコップ半分の優しさだったけどさ!


「ちょっと!せっかく心配してやってるんだからちょっとは喜んでよ!」
「いって。あんたが喋るとよけいに痛くなった」
「むっすー!!怒った!あたしもう怒った!早く棄権しろ越前!」
「おい」


そんなこと言ったらぶちょーに締め出された。締め出されたっていうかなんでか走らされた。あれ?あたしいつから男子テニス部に入ったんだ


2010/9/25