青春を部活に捧げる | ナノ






「居眠りってしちまうもんなんだよなー。あの揺られ具合にいっつもやられるっつーか」
「ですよね!車とか乗り物系って眠気をさそう兵器ですよね!」
「そうそう!ありゃ史上最強の兵器だよ」
「でも寝てるときって死んでるのと同じらしいですよ…。テカメガネ先輩が言ってました」
「まじかよ!じゃあ俺かなり死んでんじゃん」



「愛子ちゃん」
「ん?なに桜乃ちゃん?」
「その人、知り合いなの?」
「いーや。さっき知り合った人」



そう。このもじゃもじゃ頭の人、名前は切原赤也さん。たしか「りっかい」っていうとこの二年生エースだとかなんとか

バスで居眠りしてこの青学まで来ちゃったって言うんであたしもその経験あるって同調しちゃったんだよね。切原さんとは気が合いそうだなあたし


「テニスコートですよね?案内しますよ」
「まじ!?サンキューな、えっと…名前なんてったっけ?」
「上原愛子です!一年生っす」
「あーそんな感じする。お前ちっちぇーもんな」
「態度はでかいっすけどね!」
「いえてる」


桜乃ちゃんには後で部活行くからと言って先に行かせた。んであたしは切原さんを男子のテニスコートに案内した





「部外者は出てけ」


だからってそれはないでしょ!ぶちょー!
せっかく切原さん連れてきたのにあっさりぶちょーに出てけ宣言されました


「お前もなぜ部外者をここまで連れてきたんだ。そして部活はどうした」
「部活は後で行きます!でも切原さんを連れて行かせるのが先だと思ったんです!だってぶちょーと切原さんは仲良しさんなんですよね!?」
「むしろ初めて会った」
「俺もそこまでとは言ってねーよ?」


おいおいおいおい!てっきりあたしは二人は仲良しか幼なじみかとばかり思ってたよ!まあぶちょーにこんな明るい友達がいるのは信じたくなかったけど、ほんとに友達でもなんでもなかったらしい!はっず!あたし恥ずかしい!



「お前はもういいから早く部活に行け」
「ありがとよここまで案内してくれて。でもまこれでいいからお前も早く部活いけよ」

あんたらどんだけあたしを部活に行かせたいんだ




「なんであの切原くんを連れてこなかったわけ!」
「立海テニス部は強くてかっこよくで1、2を争うくらいの人気なのに!」
「愛子、今すぐ切原くんを連れ戻しにきなさい!」


部活に行ったら行ったでこんどは男子テニス部に戻れとか言うし。ていうかパシリかあたしは!ていうか青学テニス部は駄目で立海テニス部はいいのか!


2010/9/25