青春を部活に捧げる | ナノ



金ちゃんはすぐに戻ってきた。それはもう、越前くんと口喧嘩して桜乃ちゃんに止められるまでの時間に。どうやらイブさんを倒してきたらしいけど…それにしても早すぎる…!

「あ!愛子もおったんか!ひさしぶりやなー!」
「えっちょっくるしい、ぐえ」

会ったとたん抱きつかれて首が締まりそうだった。

「………行こっか、竜崎」
「えっ?」
「いやああええちょっとえぢぜんぐんだずげで」

金ちゃんに抱きつかれ続けて苦しいです。越前くんまじで助けて

「お。愛子ちゃんや」
「ああ゛………」
「あっ、白石―!」

よ、ようやく金ちゃんが離れた…!死ぬかと思った……。すると、白石さんがあたしのとこまで来て、大丈夫かと聞いてきた。そしてなぜか頭を撫でられた。ん?なんでだ

「なあなあ白石!コシマエと試合してええやろ!?」

金ちゃんが前にも言っていた越前くん像をぺらぺらと喋っている。え、なんか先生のことゴリラって言ってんだけど…越前くんもふつうに肯定してんだけど…

「駄目!」

金ちゃんが何度も白石さんに試合の許可をせがんでいるけど、白石さんはなかなか許可をしない。あまりにも金ちゃんが駄々をこねるので、白石さんは巻いている包帯をゆっくりと外し始めた。

「いっいやや!毒手いやや!まだ死にとうない!」

えっ!?毒手!?え、たしかさっきあの手で頭撫でられたんですが…!えっ…あたしの頭大丈夫?禿げたりしない…?

「コシマエまたなー!愛子もなー!」

そうして嵐は去って行った

「あんたなに頭触ってんの?」
「禿げないか心配で…」

2012/03/18