青春を部活に捧げる | ナノ



「桃ちゃん…怪我大丈夫ですか…!?」
「へーきへーき!そんな深刻そうな顔すんなよ」

桃ちゃんは結局、ぎりぎりのところで負けてしまった。なんだか、悔しいや。でも、いい試合だった。忍足さんが叫んでるのには正直びっくりしたけど…

「…武ちゃん大丈夫?」
「おう。ありがとな」

相変わらずこの二人は、見ていてほほえましいねまったく〜。あたしが恋のキューピットになってあげられなかったのはちょっと残念だけど…幸せそうだからよしとする。ゆーちゃん先輩は桃ちゃんの怪我の手当をするから、といってコートに入って桃ちゃんのところへと行った。あたしもその隙にコートに入ったけど、不二先輩に見つかって微笑みを投げかけられながら引き下がることにした


「なんだ、あのおかっぱコンビは…!」

次の海堂先輩とテ……………乾先輩の試合。どうやら氷帝はカエル(向日さん)とひよしわかしさんらしい。それにしても…

「なんとも早い試合だなあ」

越前くんが言うには氷帝は短期決戦で決めてくるつもりらしい。あっという間にマッチポイントになってしまった

「…でもこの試合、短期決戦のように見えるけど、一回一回のラリーが長いですね。氷帝の人たちの体力も思ったより消費してるみたいだし」





「…………………え?」
「……え?」

しょーこ先輩、どうかしましたか…?ていうか、え?なんでみんなこっち見てるの?

「愛子が…テニス解説してる」
「ちょ、雨でも降るんじゃないの…?」

なんでだあああ あたしテニス解説しちゃいけなかったんですか…!?なんでそんな恐怖でひきつった顔で見るんですか。おいそこ凝視するな越前

「あたしを見くびらないでくださいよ!どんだけ男テニの試合を見てきたと思ってるんですか!」

あのなぜか走らされた苦痛の日々!そして無駄に走らされたあの日々!そしてこのハイレベルな試合の数々を見て成長しないわけがないでしょう!

「その分析力をなんで部活に生かさないかな」
「そ、それは…また今度…」

2011/09/19