青春を部活に捧げる | ナノ



「え、また?」

またこのコールを聞くことになるとは思いませんでした。そうか、それであの大将「またな」って最後に言ってたのか。おかげでまた金ちゃんたちに冷やかされたけどな。覚えてろよ…



「……で、愛子ちゃんはなんでコート内に入ってるのかな?」

大石先輩の質問はこうだ。テニスコートを遮るフェンス、本来テニス部レギュラーしか入れないそのフェンス内にあたしは自然と入り込んでいるから、大石先輩は不審に思っているのだ

「いや、なんてったってあたし、青学の要ですから」
「部外者は出ていけ」
「ちょっとおおぶちょーが言ったんじゃないですか!青学の要になれって!だから、あたしここにいないとだめなんですよ!」
「そういう意味じゃない」

そしてあたしは海堂先輩とタカ先輩によって強制退出させられた。おかげであたしは逆檻の中となってしまった。不思議なのはなんであたしは駄目で堀尾くんたちはいいんだ…。あたしも桃ちゃんのタオルキャッチしたかったのに…。すると荒い先輩にお前男子じゃねえじゃんと言われた

「いーいーなー、あたしもフェンス入りたい」
「あんた、そうやってるとほんとサルみたい」
「んなっ!サル言うな!」

ていうか言っとくけどそっちのが檻なんだからね!

「まあまあ愛子、飴あげるから静かにね」
「わあ、ありがとうございます!ゆーちゃん先輩!」

「はっ……サル」
「なんだとー!」

2011/07/14