青春を部活に捧げる | ナノ



全国大会が始まってからいろいろ変化している

その一、越前くんが名前呼びしてきた
その二、ゆーちゃん先輩に恋人ができた
その三、ぶちょーが無制限のランニングを要求しはじめた

畜生。あたしにとっていい変化があんまない…。とくにその三!あたしどんだけ走ればいいわけ?さっき一周して戻ってきたらまだ足りないとか言い出した。おい、己の気が済むまでじゃないのか!?

そしたら不二先輩は5周を10分で走ってくればと提案してきた。5周を10分ってことは、1周2分か。それって今以上に楽勝じゃないか!

…でもこの会場の広さを計算してなかった。なんだこの会場!でかすぎでしょ!?1周2分…やっばあと30秒しかない!


「あ、愛子じゃねーか」
「へ?あっ!赤也さん!」

走っている最中、立海の人たちが目に入った。赤也さんが手を振ってきたからあたしはそれに釣られていつのまにか走ることをやめた

「お前また走ってんのな」
「はい。…ぶちょーが帰還したんで」
「ああ、手塚さん?」



「もしかして君が、上原さんかな?」

…ん?誰だこの人。立海にいるけど見たことない人だな…。ヘアバンドにウェーブっぽい髪型…

「…すみません、どちらさまで?」
「ふふ、初めまして。立海大部長の幸村精市です」
「え、ぶちょー……ええっ!?」

たしか立海の部長さんて、手術受けてたんだよね…?その部長さんがここにいるってことは…

「手術、無事終わったんですね!」
「ああ、おかげさまでね」
「よかったですね!え、でももう大会に出てらっしゃって大丈夫なんですか?」
「その心配は無用だよ。立海はなんの問題もなく三連覇を達成するからね」
「…………」

三連覇ってことは…全国大会優勝するってことか。優勝、優勝…優勝?

「…?」
「上原?」
「……どうかしたかい?」



「…三連覇だかなんだかわかりませんが、優勝するのは青学です。勘違いしてもらっちゃあ〜困ります」

と、言い張った

「…お前青学の部員じゃねーじゃん。むしろ女じゃん」
「そっ、そうじゃなくって!青学の皆さんが勝ちますよーみたいな感じでいいんですよ!」
「そりゃねえよ。俺たち立海が優勝するんだからよぃ」
「だ、だからそれを青学が阻止するんです!」
「お前がなんと言おうと立海が三連覇を獲得するのだ!」
「だーかーらー!」


「ふふ、青学には心強い応援がついているんだね」
「え、あれ応援だったのか?」

2011/3/9