青春を部活に捧げる | ナノ



「うーん、おかしいな」
「なにが」
「あ、越前くん。おはよ」
「おはよ。で、なにがおかしいの」
「うーん、青学は二回戦からなんだよね?」
「だね」
「一回戦は六角対比嘉…?っていうのこれ?で、青学の試合はないんだよね?」
「ないね」
「……………なんであたし来てんの?」


午前9時。なぜか惚気の桃ちゃんに叩き起こされ、現在このテニスコートにいます。あっれ…おかしいな。あたし男子テニス部員だったっけ?

「大会時、お前は必ず遅刻し試合を見逃すということが報告された。というわけで、桃城にお前を起こさせた。以上」

ねえちょっと待って。なんでそれがぶちょーにバレてんの!?誰、九州にいる人にそんなこと教えたの!?

「あの、あたし男テニ部員じゃないと思うんですが」
「それはおかしいな。君は俺たちの仲間じゃないか!」
「大石先輩、それは表向き嬉しい言葉ですが裏を言い返せば連帯責任にも加算される気がしてならないんですが。特にあたしを走らせるあたりに」

大石先輩はぶちょーに負けてからなにやら仲間意識が格段にアップした。いや青学にとってはそれはいいことだと思うよ。だけどあたしを巻き添えにするのはなにか間違ってると思うよ?

「ごめんなさい、眠いんでいったん帰ってもいいですか。それか寝させてください」
「む、全国大会を前に眠気とはたるんでいるぞ。走って来い上原」
「えええっ!?なんでですか!あたし試合出ませんよ!?」
「その曲がった根性を今日から叩きなおす。走って来い。己の気が済むまで」

なんかぶちょー、以前より熱くなってね!?なんで?あたしの性格が曲がりすぎたせいか?いやそんな馬鹿な。そんなことなら越前くんも同罪でしょ!あくびして愚痴ってました、彼!

「は?なに言ってんの?俺超目さえてるし。朝最高」

裏切り者おおおお!

2011/3/8