青春を部活に捧げる | ナノ



「きみ、きみ!」
「…はい?」
「男子テニス部に行くにはど行ったらいんだ?」
「………え?」

とある女の子に話しかけられました。変な方言だったから東京の子じゃないことは分かった。とりあえず今は休憩中だったし、男子の部室まで案内することにした

「へえ〜北海道から来たんですか」
「んだんだ!それにしても愛子ちゃんはめんこいなあ」
「いやあ〜そんなこと言っても照れるだけですよ〜」(めんこいってなんだ。めんたいこ?)
「ほんとめんこいよ!ペットにしたいくらいだべさ」
「あ、やっぱそっち系ですか」

寿葉さん、というらしいこの人は、ある人に会いに来たんだという。まあそこまで深くは聞かなかったけど、男子の部室を案内して中に入れさせた

「ここが男子の部室かあ〜、案内してくれてありがとな!愛子ちゃん」
「いえいえ、礼には及びませんよ」

あたしは寿葉さんの用事が終わるまで部室で待ってることにした

「で、男子の部室に来てどうするんですか?」
「ん?いや、彼のいる部室がどうなんかな〜って思って来ただけさ」
「へえ〜…なるほど」
「あ、そーだ。愛子ちゃんにジュースおごってやるべ!」
「え、まじすか!」
「んだ!じゃ、オイラ買ってくんべ」

と、寿葉さんがドアを開けた瞬間、越前くんが先にドアを開けてきたもんだから寿葉さんは額を打って気絶してしまった






「…で、誰この人」
「うーんとね、北海道の人」
「なんでそんな奴がここにいるわけ」
「わっかんないよ。誰か会いに来たみたいだよ。越前くんじゃないの?有名人だし?」
「…関係なくない?」

いーや、越前くんに会いに来たんだと思う。越前くんのロッカーばっか見てたし。あたしもそこらへんは観察力鋭くなったからね!

「とにかく、あんたは部活に行ったら?沖野先輩が探してたみたいだけど」
「げっ、ゆーちゃん先輩が?まだ休憩中なのに」
「とっとと行けば」
「………」

あたしは越前くんに出てけといわれた気がして、大人しく保健室から出て行くことにした


「あれ?愛子。お前もここにいたのか」
「…まあ」
「ここにおちびと女の子がいるって本当!?」
「…そうですね。いますよ」
「ふん、データが増えるな」
「なんのですか」

あたしは保健室の入り口にいた桃ちゃんたちに適当に返事をして部活に行くことにした。ふーんだ、越前くんなんて寿葉さんにうっはうはしてればいーんだ


「愛子、あんたの隣にいた子誰なの?」
「…北海道の人です」
「は?北海道?よく言葉が通じたね。あ、愛子だから通じるか」
「なんの冗談ですかそれ」

2011/2/1