青春を部活に捧げる | ナノ



「不二先輩、お疲れ様でした」

「ああ、愛子ちゃん」
「タオルよかったらどうぞ」
「うん。ありがとう」

不二先輩はまだ目が見えてないらしいから、あたしは不二先輩の手をしっかり握ってタオルを手渡した。すごいな。ヤナギさんだけでなく、不二先輩も盲目だったとは。と越前くんに言うと、不二先輩は盲目じゃなくて一時的に視力が低下しただけなんだってさ。あんた試合見てなかったの?馬鹿?って馬鹿にされたんだが。冗談に決まってるだろー!



「あ、上原さん!どこに行ってたんですか〜。急にいなくなるから迷子かと思ったですよ」
「ごめんね壇くん。ちょっと散歩してきたの」
「次は越前くんの試合ですよ!」
「え、あ、そっか…」

そういえば、今の試合で2−2なんだっけ。越前くん、次の勝たないとまずいじゃん!

「越前、がんばれよ!」
「おちび!ファイト!」
「ウイッス」

あ。桃ちゃんと英二先輩がハイタッチしてる!そうだ。あたしも越前くんにハイタッチしよう!

「越前くん!あたしもハイタッ…」

すると越前くんは真面目な顔で本気とかいてマジであたしの手のひらにビンタした

「ってぇぇえ!って!なんであたしだけこんなひどいの!?」
「え?別に桃先輩たちと同じくらいの力でやったけど?」
「嘘だ!口元が笑ってらぁ!てんめ覚えてろ!負けたらグラウンド100周なんだからな!」
「愛子ちゃん、それは俺の特権だから君は指示できないよ」
「まじすか!」

2011/1/29