青春を部活に捧げる | ナノ



「あれ…赤也さん英語しゃべってない」
「あ。帰ってきた」
「ただいまー…」
「…走ってないでしょ」
「あ。しまった…。越前くん大石先輩には言わないでね」
「どーだか」
「え、ちょ、お願いします!!!」

越前くんにはちゃんと説明しようと思う。でないと走らされてしまうからね

「大石せんぱーい」
「だあからだめだって言ってるでしょうがー!」

だめだ。この人に何言っても通じない。こうなったら奥の手で行くしかございませんね

「…そーんな態度取っちゃっていいのかな〜?無我の境地っていう秘密教えてあげてもいいのに〜?」
「乾先輩から聞いたから別にいい」

あんのメガネえええ!まじかよ。あたしの情報意味ないの!

「ほんっとに知らないの!?越前くんが無我の境地になってるとき英語喋るってのも?」
「あ、それは知らなかった」
「ちっくしょう!教えちゃったじゃんかあたしの馬鹿!」

これで手札が空になりました。あたしは地獄行きのようです。死んできます。永久に


「……わかったから、そんな落ち込むなって。大石先輩には言わないでおいてあげるから」
「………ほんと?」
「ほんと」

越前くん…。ほんとは越前くん、優しいんだね。数ヶ月経って初めて気がついたよ。君ってほんとは、いいやつなんだね


「で、走んないでなにしてたわけ?」
「ん?立海のベンチで試合見てた。立海の人たちと」
「………大石せんぱーい」
「ええええ!?ちょまってさっきの約束嘘だったの!?鬼!悪魔!」


「…あいつらってほんと仲いいよなー」

2011/1/27