青春を部活に捧げる | ナノ



「口では…簡単、に、言うけど…ねえ!」

意外にきっついんだよ!しかも大石先輩はぶちょーよりもスパルタでもうそろそろ悲願の40周間近ですよ。泣きたくなっちゃう

「あ!ミキさん!」
「え?あ、愛子ちゃん」

あたしは早くも外周周りを中断して、ミキさんのいる立海へと向かった


「来てたんだね」
「はい!赤也さん…なんかすごいことになってますね」
「うん、なんかね無我の境地になったらしいよ」
「なんですかそれ?」

ミキさんが言うには前に戦った人たちのプレイをそのまま映し出すものらしい。あれ?それって…

「それって越前くんも…」
「え?」

「あ、上原愛子じゃん」
「え」

立海の人たちに見つかってしまった。たしかこの人は…ガムを食べてた…えっと…

「丸太さん…?」
「誰が丸太だ。丸井ブン太だ。略すなよ」
「あっはっは、丸太って、爆笑じゃ」
「仁王黙れ」

「ところであなたはここで一体なにを?試合はご覧になられないのですか?」

他校のベンチにお邪魔すると必ず聞かれる台詞。もう慣れちゃったから適当に返事もできるんだけどね

「えーと、走りにきました」
「そういえば先ほどから何度もお見かけしますね」
(み、見られてた…!)

予想外だった。いや、見られてるってのは百も承知だったんだけど、まさか敵陣に見られるとは思ってなかったからさ…

「はあ?お前また走ってんのかよ?」
「また…?」
「だってよ、この前だって走って神奈川まで来たんだろぃ?赤也が言ってたぜぃ」

赤也さん…なんでそんなこと教えちゃったんだ。恥ずかしいじゃないか。まあ事実なんですが

「で、今度はなんで走ってるの?」
「…スパルタ教育というやつです」
「走ってるんじゃなくて、走らされとるんか。精が出るのう」

なんだかよくわかんないけど、頭を撫でられました。ていうかこの人たち試合見てないよ。いいのかな?赤也さんの試合なのに

「お前たち!ちゃんと試合を見んか!!」

あ。先生に怒られた
2011/1/22