青春を部活に捧げる | ナノ



「じゃあ練習始めるわよ!一年生は素振り、二年生は球拾いでレギュラーは球出し!」
「え、あの」
「ほらさっさと運動できる服に着替えて」
「ちょ」
「部室わかる?そこをまっすぐ行って左から二番目の部屋よ」
「あの」
「ん?トイレならあっちよ」

ちがいます。我慢とかしてないですからね



「あたしまだ入部届だしてないんですけど」
「入部届?知らないのここの暗黙の了解」
「あんもく?」

近くで他の先輩が「しょーこ早くー」って言ってるからこの人、しょーこ先輩って言うんだなと確認した



「ここのテニス部に来た以上は部員同然。仮入部以前に来るってことはそれなりの覚悟があるってことになるのよ」
「……はい?」

っていうことはなに?あたしは仮入部前に来ちゃったからもう正式な部員なんですか?








どーする桜乃ちゃん!!!!


「いやあのあたしそういう意味で入部届もらったわけではございませんでして」
「どういう意味でもらったのよ」

それもそうだ…。てか言えないでしょ、こんなこと。“彼氏が欲しいからテニス部に入った”なんて死んでも言えませんね



「そんな理由で入ったの」
「そう、そんな理由で」

あれ?
また口が滑ってしまいました?


なんておしゃべりなんだあたし!


2010/9/25