「チョコ受け取ってくださーい」
「いやだ」
な ん で だ
「なんで!?今さっき女の子からのは受け取ってたじゃん!」
「お前のはなんかまずそうだから」
ちくしょーなんだこいつ。なんであの子のは受け取ってあたしのは受け取ってくんないんだ!おかしいじゃんか明らかにあの子とは知り合いでもなんでもなさそうなのに、知り合いどころか幼なじみのあたしのは受け取ってくんないなんてさ!
「あ、わかった。あの子のことが好きなんでしょー。だからあたしのが受け取れないってこと…」
「チョコならくさるほどもらった」
嫌 味 か こ い つ
なんだ、あたしに対する嫌がらせか?わざわざかばんの中の大量のチョコなんか見せ付けやがって。なにドヤ顔してんだこいつ。なんかだんだんあげるのが嫌になってきたぞ
「…じゃああげない。あたしが食べてやる」
「あんた腹こわすよ」
「うっさいな、あたしが作ったんだからどうしようとあたしの勝手!」
「…そんなに怒るならもらってやってもいいけど」
め ん ど く せ え … !
「…………なんなの?いるの?いらないの?どっちかにしなさいよまったくもー」
「いると言ったら嘘になるけど、いらないってわけじゃない」
「なにそれ新手の嫌がらせ?」
はぁー…長年リョーマと付き合ってきたけど、こんなに曲がりくねった性格になるとは思わなかったよあたし。とりあえず、いるようだからあげてみたけど、リョーマの考えがあたしには全く持って理解不能
「…いるならいるで素直に受け取ればいいじゃんか」
「…俺にあげるならあげるで、他の分なんてつくんなくていいじゃん」
………あたしがリョーマに文句を言うと理解不能な返答を奴はしてきた。
「…なにそれ、どういうこと?」
「…他の奴の分なんてつくんなくていいって言ってるの」
「…桃先輩とかにあげるなにがいけないの」
「…だから……俺だけでいいっつっ…」
「は?なに聞こえない」
「だから!」
俺以外の奴のチョコなんて作るな
彼はそう言い放った。言われたあたしは正直目を見開いたけど、なんだ。単なるやきもちか。そういうとこ、昔っからそうだよね
「大丈夫。心配しなくても、リョーマだけは特別にしてるから」
「………ほんと?」
「ほんと。カルピンの形にした」
「っしゃ」
それだけで喜ぶとか、子どもなんだから
@こまめさん
今回はバレンタイン企画に参加してくださりありがとうございます。越前くんでツンデレな一面を書かせていただきましたが、ツンデレを超えて独占欲が強すぎる彼になってしまい、申しわけございません。とりあえず越前くんは彼女が大好きってことだけは事実で。こまめさんのご要望にも答えられたかななんて自己満足してます^^これからもyouをよろしくお願いいたします