バレンタインデーキッス! | ナノ

「か〜おる〜薫ちゃ〜ん」
「うっせえ!その名前で呼ぶな!」
「あ、いたいた薫ちゃん」

薫ちゃんはあたしのなんでもないんだけど、河川敷で見かけてからというものの気が向いたら河川敷へ向かっている。あ、普段はこんなテンションじゃないよ?もっと普通だよ?

「あ、また怪我してるよ。大丈夫?」
「ただのかすり傷だから寄るな」
「やっだー寄ってないしー触っただけだしー」
「余計やめろ」

そんなに痛かったのか。ごめんね、薫ちゃん。何度も言うようですけど、普段こんなテンションじゃないからね。ほんと

「…お前今日どうした?」
「なにが?」
「テンションがおかしい」

ほらね。ほら言われた。だから言ったでしょ、普段とテンションちがうって。薫ちゃんもそのことに気づいてくれた

「今日はねえ、なんていう日だっていうかとねー言いますとねー」
「バレンタインだろ」
「ええよくご存知で!薫ちゃんのくせに」
「……そのくらい知ってる」

よかった。薫ちゃんがバレンタインを知ってて。知ってなかったらあたしのこのテンションがただのコントになってしまうとこだった

「ということでね、今日はバレンタインデーだから女の子らしくなろうと思って」
「…いつも男みてーだからなお前」
「でっしょでっしょ?ほら、ちゃんとチョコも作ってきたんだよ?」
「…食えるのか?」
「そんなの食ってみなきゃわかんねーだろ☆」
「…………」(超不安)

「…と、その前に」

あたしは今日だけは女の子になった服のポケットから絆創膏と、かばんの中からバスタオルを出した。絆創膏は薫ちゃんのほっぺに。バスタオルは薫ちゃんの肩にかけた

「…なにしてんだ」
「なにしてんだはこっちの台詞でしょーが。この真冬に川に入る馬鹿がどこにいるんですか」
「ちゃんとジャージ来てるから平気だ」
「ジャージ着ても川に入る馬鹿はいません」

薫ちゃんがテニスに情熱をかけてるのはよく分かるけど、風邪引いたら元も子もないじゃん。あたしはそれが心配でならなくて、彼のために絆創膏とバスタオルとついでに温かいお茶を持ってきてあげた

「チョコだけじゃ気持ち悪くなると思って」
「…お前、気が効くな」
「今頃気づいたの?鈍感だね薫ちゃんは」

@まゆみさん
バレンタイン企画に参加してくださりありがとうございます。最初にお詫びしておきます。平凡ギャグのつもりがただのギャグになってしまい本当に申し訳ございません!いや〜まゆみさんがご丁寧に海堂か乾のどちらかと書いてくださって、最初は乾にして平凡にやり過ごすつもりが、初めて書いた海堂でこんなギャグな彼女を書いてしまいました。でも悔いは残ってません(笑)こんなだめだめなやつですが、これからも時折サイトを見に行ってやってください
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -