バレンタインデーキッス! | ナノ

彼は、忙しい人


『ごめん…』
「なに言ってんの!しょうがないじゃんテニスの試合あるんならさー」
『うん…』
「越前くんはテニスやってる時が一番生き生きしてんだからさ、あたしのことは気にしないで。その代わり、優勝しないとチョコあげないんだからね!」

あたしは越前くんに電話の終わりを告げて電源ボタンを押した。越前くんは、2月になっても戻れないらしい。バレンタインチョコ、せっかく作ったけどお預けか

まあ仕方ない。越前くんはなにかと忙しい。越前くんの誕生日も2人で祝うことはできなくて、帰ってきたといえばお正月くらい。そして翌々日にまた飛び立ってった。結局一緒にいれたのはお正月と翌日の二日だけ

それでもテニスの成績はいいから、そこは安心してる。もしかしたらアメリカに行ってぶちょーみたいなのがたくさんいて心が折れてないかとか、けっこう心配だったけど、そんな心配はいらなかった。越前くんは越前くんで相変わらずどんどん強敵を倒している

だからそれでいいんだ。テニスやってる越前くんがあたしは好きだから


「あーもう全部食ってやる!」

あたしは思い切ってつくった大きなハートのチョコをぼりぼりと食べつくした。甘くつくったはずが、なぜか塩っぽく感じた


そのあと、越前くんは次の日帰国してきて、チョコがないことに気づいて彼は拗ねていた

@蒼さん
このたびはバレンタイン企画に参加していただきありがとうございます!時期が二月だから越前くんはもうアメリカに帰っているだろうなと思い、遠距離恋愛風に書かせていただきました。ちょっぴり切なめになりましたが、忠実に青春っぽく書きましたので気に入ってくだされば光栄です。
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -