seisyun | ナノ


うちのテニス部は毎年夏に男女合同の合宿を行う。男女合同って言ってもたまたま合宿日が一緒なわけで、合わせてやってるわけじゃないみたい。それでもこういう機会はめったにないから、ってことで男女合同の練習も含まれることになった。そのせいか、みんな結構落ち着かないみたいです。

「男女で一緒の練習するのもあるんですよね?」
「うん。ラリーとか男子ともやったりするから、いつもの倍がんばらないといけないけどね」

ということは、男子と一緒のコートで練習するってことか。普段はコートが分かれているから、練習中めったに男子と顔を合わせることがない。ぶちょーとかコートにいるのか…どんなんだろうな…たのしみだなあ



「では、レギュラーは1、2コート。それ以外の者は…」

ここではぶちょーが全部取り仕切るらしいです。しょーこ先輩は補佐って感じかな。あたしは…2コートか。あ。越前くんいる。

「あんた、レギュラーなったの?」
「這い上がってやりましたよ!どうよ!」
「あっそ。今更な感じもするけど」
「なんだってー!?」

相っ変わらず越前くんは生意気で心にもないことをポンポン言うわ…!あたしがどれだけ傷ついているかも知らないくせに!

「あ!愛子ちゃんいんじゃん〜」
「英二先輩!」

英二先輩も2コートなんだ!いらいらな気持ちが一気にふきとんだ!練習がたのしくなるわ!

「英二先輩聞いてくださいよ…!越前くんひどいんですよ!レギュラーになったのにおめでとうの一言もないんですよ!」
「えーおちびひどーっ」
「越前くんにぎゃふんと言わせたいんです…!でもテニスじゃ勝てそうもないし…」

すると英二先輩はうーんと、少しだけ考えて、あたしに耳打ちをした。

「ねえねえ愛子ちゃん、おちびにイタズラしてやろーよ」
「あっいいですね!それ!」

ということで英二先輩とタッグを組んで、越前くんに全力でいたずらをすることになった


「ローテーションで回って球出しだ!」

この練習は、男女まざって球出しを受けるんだけど、ぐるぐると交代しながら打つので、その間待っている時間が長い。英二先輩はその間に、越前くんにひざかっくんをかましに行った。案の定越前くんは見事ひっかかり、めちゃくちゃ悔しい顔で見られていた。でも先輩だからか、何するんすか!って言われただけで終わっていた。

あたしもこの手で行こう!と思い、ちょうど越前くんの後ろへ回って、ひざかっくんをかました。越前くん二回も引っかかってるや…やばい、超おもしろい…!すると越前くんはラケットを置いて、あたしの両頬をつかみ、思いっきり引っ張った。えっなんで!ちょっとまって!扱いが違う!英二先輩と扱いが違う!

それでもあたしたちは懲りずに、越前くんにいたずらを仕掛けた。仕舞いにはあたしと英二先輩が越前くんに追いかけられるという形になり、さすがにぶちょーに怒られた。っていうか最後あたり、越前くんあたししか狙ってきてなかったような…!でも英二先輩とあたしのタッグは、結構コンビネーションも良くて、大石先輩に嫉妬されるほどだった。

2012/07/18
ひゃわさん、この度は青春フリリクにご参加くださりありがとうございます!越前くんとヒロイン、早くくっついてほしいですよねー← 早くくっつくようにがんばって更新します!