ひたすら越前くん! | ナノ





「ハメた……………!?」
「そ」

翌日、越前くんからとんでもない言葉が飛び出す。どうやらこの旅行、予め友達と越前くんが仕組んだ、計画的な旅行だったのだ。あたしと越前くんがいきなり二人きりで旅行するのはあまりにも難しいということから、越前くんがあたしの友達に頼んで(そのころにはどうやら友達は越前くんの恋愛相談役だったらしい)自然に旅行ができるようにセッティングをしたのだという

「………なんて計画的な…」
「あんたとはあんまり話せなかったし、こうするしか親睦深められなかったし」
「そんな…ふつうに話しかけてくれればよかったのに」
「だって、あんた俺見たら避けるじゃん」
「う」

た、たしかに…越前くんはどちらかというと苦手だったから…避けてたかもしれないけど…

「ごめんなさい…」
「いいよ。気にしない」
「ほんと?」
「ん。昨日は俺の名前、何度も呼んでくれたしね」
「!!!」

昨日のことを思い出してしまい、あたしは顔を赤らめてしまった。口はぱくぱくと安定さを失い、目は素早い瞬きを繰りかえす。向かいに座る彼は相も変わらず余裕の表情をかましている

「それに今日も混浴。入るでしょ?」

どうしよう。どうやら今日も逃げられないみたいです

2011/10/08