愛子ちゃんシリーズ | ナノ


「あ、越前くんせんべい持ってきてる。いっただきー」
「ちょっ…!あんた!」

あたしは休み時間、越前くんたちのクラスへ遊びに行ったとき、せんべいを発見した。越前くんが食べていない他のせんべいをかっさらうと、越前くんは今までにない形相でにらむ

「越前くん、前から思ってたけどせんべい好きだよね」
「…悪い?」
「いいや。ジジ臭いと思う」
「…………返して」
「やだよ。あたしも好きだし」
「ババ臭い」
「あん?」

あたしは越前くんの言葉を無視してせんべいを開封すると、ほんのり梅の香りがした

「越前くん、意外とおいしいせんべい選ぶよね。ほんと、おばあちゃん家にあるおかきくらいおいしい」
「…あんたそんなにせんべい好きだったっけ」
「うん。まあ。あのさ海苔に梅がかかってるのおかきとか結構好き!」
「あ、わかる…。梅って結構せんべいに合うよね」
「だよねー!あとさ、シンプルにしょうゆ味だけなのもいいよね!」
「だね。それで堅いせんべいとか歯ごたえあっていいよね」
「わかるわかる!ばきばきって音がまたいいんだよね!」



「…あいつら、あんな気が合うやつらだったっけ?」
「さあ?」

2011/07/08