fiction | ナノ




すーずーしーいー。なんでクーラーってこんな涼しいの?なんでこんな快適なの?やべぇわ、さっきの暑さなんて微塵も忘れそう。名前ちゃんとのお出かけから帰ってきてからというもの、俺はクーラーをがんがんにかけてその真下に寝転んでいた。もちろん、暑くて死にそうだった俺は設定温度を18度くらいにしてたんだけど、名前ちゃんに節電しろって言われて仕方なく28度。嘘、暑くて無理。22度。名前ちゃんは帰ってくるとすぐにシャワーを浴びるのが習慣らしくて、帰るや否やすぐさま着替えとタオルを持ってシャワールームへ行ってしまった。あとで覗きにいこっかな〜、と思ってたけど、ごめぇん、暑くてむりかも。あ、それか一緒に入ればよかったんだ。しまったー、選択ミスったわ。そんなこんなで、欲にも勝つほど俺の体力は底をつきそうだった。

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がごん、という音が聞こえて俺は目が覚めた。ってかあれ、俺寝てた?さっきの音は名前ちゃんが冷蔵庫を開けた音だった。起きた?と聞いてきた彼女の手にはどでかいペットボトルが握られていた。えってかそれ何リットルあんの…?普通に部活で見る2リットルのドリンクばりのでかさだぜ?ぐびぐびと音を立てて飲む名前ちゃんの飲みっぷりに俺はコールをしたくなる勢いだった。っつーか、その格好反則じゃね?超短パンにキャミソールって。しかも見たところ、ブラジャーの紐が見えないあたり、これは、キャミソール取ったら…。はぁ、これ以上は俺の脳内パンクしそうなんで、ここまで〜。にしても、名前ちゃん、俺のこと刺激しすぎ。なにその脚線美。俺のこと誘ってんの?いいの?それ以上そんな恰好でいられると、俺なにすっかわかんねぇよ?…とまあ、変な視線を注いでいたようなので、ついに名前ちゃんになに見てるの、って言われちゃった。べっつにー?とにやにやを隠せずに言ったもんだから、逆に怪しがられちゃったんだけどね。しかもクーラーの温度下げたのばれて、地球に優しい28度に設定されちまった。ちぇ。ま、いーや。これで暑くなってそのキャミソールも脱いでくれたら俺は万々歳だからさ。いやーそれにしても、夏っていいね!

2012/08/16