fiction | ナノ


「お前ってポニーテール似合わねえよな」
「なんだって」

桃に似合わないと言われた。しょっく。最近髪が伸びてきたと思って嬉しくてポニーテールにしてみたけど、似合わないなんて…

「あたしの数ヶ月の苦労を踏みにじらないでよ。ポニーテールにするの楽しみにしてたんだから」
「いやーでもほんとに似合わないのな。しょうがねえことだ」

うんうんうなづく桃にあたしは怒りの一発を与える。そこへ話を聞いてた英二先輩がやってきた

「ポニーテールって普通女の子がやってたら可愛いもんだよね」
「あたしはどうですか?英二先輩」
「んーなんかね、侍って感じ」

先輩だろうと今すぐ切腹させたい勢い。あたしポニーテールそんなに似合わないかな…。

「先輩」
「ん?なに、越前」
「ほんと、男っぽいっす」
「越前まで…」

もう怒りを通り越して落胆するあたし。周りでは桃や英二先輩がけらけらと笑っている

「でも先輩…」
「ん?」

桃や英二先輩はあたしが怒る予兆を予期したのか、そそくさと部活に戻っていった。すると今度は耳打ちで話しかけてくる越前にあたしは耳を貸した

「俺は…嫌いじゃないよ」

2012/03/02
前のブログでかいてたものひっぱってきました