デートのお誘い

ピーンポーンと呼び出しのベルがなり、客がきたようだった。
数分後に玄関から出て行く音がして、自室から顔を出した。

「あれ、綱吉ー?」

「京子と動物園に行ったぞ」

リボーン君の幼い声が階段の下から聞こえてきた。
京子ちゃんは……笹川の妹の、正統派美少女だったっけ。

「……ほーう」

我が弟ながらスミにおけないなとニヤニヤしながら階段を降りていくと、リボーン君が何かを手にして待っていた。


「お前も行ってこい」

「え?どこに?」

リボーン君が不敵に笑う。
彼が手にしていたのは近場の並盛動物園のチケットだった。
ちょうどその時、インターホンが鳴ってやってきたのは。

「沢田ぁああ!!動物園極限に楽しみだな!」

「笹川じゃん」

玄関を開けるとクラスメイトで友人でもある熱血ボクシング馬鹿がそこに立っていた。

「パオパオ師匠に言われてな!動物園に修行に行けと!」

「パ、パオパオ師匠?」

「おまえらもデートしてこい」

いつの間にか変な格好に着替えて肩に乗っているリボーン君に目を見開く。
もしかしなくってもパオパオ師匠ってこのコスプレバージョンのリボーン君のこと?

「お久しぶりですパオパオ師匠!さあ沢田!動物園に熊を倒しに行くぞ!」

「……着替えてくるわー」

ため息を零し、意見が違う二人をその場に放置し、外出用に着替えるために自室へ向かった。

だけど、動物園なんて何時ぶりだろーな。
無意識に口角が上がった。




「熊だ熊!熊はどこかと聞いている!熊と闘わせろーー!」

「ちょ、ちょっと!笹川!」

「お客さん、困ります!」

この極限バカと動物園に来たのだからただでは済まないとは思っていたのだが、まさか本当に熊と闘いたがっているとは。



これ、本当にデートなの!?



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