誕生日


「ただいまー」

ポストを確認して家に入る。
玄関にはたくさんの靴が並べられていた。二階からあはははと騒がしい声が聞こえる。

「あら、おかえりなさい」

「おかえり」

ひょこりと母が台所から顔を出した。
ビアンキも一緒だった。

「上、来てんの?」

「今日リボーン君の誕生日なのよー」

「リボーンのためのボンゴリアン・バースデーパーティーよ」

「へえ」

明日は綱吉の誕生日で、今日がリボーン君の誕生日だとは。
すごい偶然もあるものだ。

私は今日、明日の綱吉の誕生日プレゼントにと、前から綱吉が欲しがっていたゲームのカセットを買いにいっていた。

リボーン君にはどうしよう。
そういえば雲雀から貰ったコーヒー豆があったはず……良いものだし、それでもいいかな。

「それで山本君がおすし持ってきてくれたの。一緒に食べましょうか」

「あーうん。たべ」

「いたーーい!!体が折れるぅううううう!!!」

食べると言い切る前に二階から綱吉の悲痛な叫び声が聞こえてきた。

驚いて母さんとビアンキと階段を駆け上がって綱吉の部屋に慌てて入った。
そこにはあらぬ方向に向いている綱吉の身体があった。
なぜか箱に詰められ身体の間には剣がいくつも刺さっている。

急いで携帯で救急車を呼んだのだが、綱吉は並盛中央病院で誕生日を過ごすことになってしまったのだった。



「……お菓子でも作って持って行ってあげよう」

苦労性な弟を思って、そう私は呟いた。



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