*保育係兼右腕?
応接室で献上品であるシュークリームを片手に中庭を見る。
サクッとした生地は私好みだし絶妙な生クリームはなめらかでおいしい。
中庭ではいつもの四人組とリボーン君、それからなぜかランボ君がいて騒いでいた。
山本君がランボ君にキャッチボールをしようと誘っているところだ。
「……うわぁ」
豪速球がランボ君を襲う。
多分だけど、山本君は野球のことに関しては一切手加減ができないのだろうな。
ランボ君がまたも大声でわんわんと泣いていると、今度はハルちゃんが中庭にやってきた。
そういえば昨日新体操部が緑中と交流試合をするって報告してきたっけ。
ハルちゃんに抱かれても、愛海が必死に機嫌を取ろうとしても泣きやまないランボ君を見る。
シュークリームも食べ終わったし、いってこようか。
「ちょっと出てくるね」
「ああ、分かった」
実は草壁君もいました。
私の独り言なんかは草壁君はだいぶ聞き慣れているので、きちんとスルーしてくれる。
結婚するなら草壁君のような仕事に一生懸命で全てを包み込んでくれる優しい人がいい。
そんなことを頭の隅で思いながら応接室を後にして、綱吉たちがまだいるであろう中庭に向かう。
「ランボ君」
「うわああ……夏実さん?」
「ね、姉さん?」
そこには予想通り、まだ綱吉たちはいた。
いつの間にかランボ君は大人ランボ君になっていたようだ。
「泣くなって言ったでしょ?あんまり泣いてると舐められちゃうよ」
大きくなっても柔らかいランボ君の頭ぽんぽんと叩く。
ランボ君はすんすんと鼻を鳴らして私の腰に抱きついた。
泣き止んだようだ。
「えっじゃあお、お姉様が10代目の右腕…!?」
「えっうそーー!」
「あ、えと……なっちゃん合わないんじゃないかなぁ?」
「ははっ先輩すげーのな!」
「はひー!お義姉様ベリーワンダフルです!」
年下たちの眼差しを一身に受け頬をひきつらせる。
リボーン君はニッと食えない笑みを浮かべていた。
「いや、意味分かんないんですけど……」
とりあえずこの、元に戻ったランボ君を家に戻すことから始めよう。