彼との関係


今日は母が友達と映画とかで外出中で、自分のご飯は自分で作らねばならない。
私は先ほどリボーン君に作ってやったソーメンの残りをリビングで口に運んでいた。

「あら夏実、いたの」

「ビアンキ、どうしたの?」

最近居候し始めたものすごい美人のこの人はリボーン君の四番目の愛人らしい。
最近の子はマセてるなぁと現実逃避したのは記憶に新しい。

「今日は家庭科実習よ」

「……へ、へぇ〜」

ビアンキは綱吉の家庭科と美術を受け持つらしい。
彼女の料理を目のあたりにしたときは軽く目眩がしたのだが。

「10代目〜〜っ!」

「あら、誰かしら」

「綱吉の友達でしょ」

ビアンキがホイップクリームらしきものを持って出て行くのを眺め、食べ終わった皿を流し台に持って行って洗う。
横にある毒々しい食べ物と呼べないそれは見ないふり。

洗い終わると玄関から綱吉の友達の叫び声が聞こえて、玄関に顔を出した。
……あんな叫び声だけでは驚かなくなったのは綱吉のせいか、はたまた雲雀のせいか。

「綱吉、何してんの?」

「ビアンキが!ビアンキと獄寺君が姉弟だったんだよ!!」

獄寺君とはあの爆発を起こすイタリアからの帰国子女のイケメン転入生だ。
綱吉をなぜか慕っているようで私の会った時に「10代目のお姉様!?」とか言ってやたら懐いてきたのは記憶に新しい。

綱吉が獄寺君を追って家から出て行くのをビアンキたちと見送って部屋に戻ろうとした。

「おい夏実」

「リボーン君、なに?」

「水浴びしてーんだ。プール作ってくれ」

「はいはい」

まだまだ子供なんだとくすりと笑って、昔よく綱吉と二人で水浴びした小さなビニールプールを物置きから引っ張り出す。

リボーン君が心なしか楽しそうに水浴びしている様子を縁側に腰掛けて見ていた。

「夏実」

突然リボーン君が真剣味を帯びた目で私をとらえた。

「……なぁに?」

「お前はイタリアに……」

「!」

イタリア、といえば何年も連絡がない彼がいる場所だ。
ドクドクと心臓がけたたましく鳴る。
ごくりと唾を呑んでリボーン君の言葉を待った。

しかし、その続きは聞くことが出来なかった。
綱吉が途中でやってきたので話は途切れてしまったのだ。


ポーカーフェイスの赤ん坊は私の何を知っているのだろう。

もう話す気がないリボーン君を背に私は自身を落ち着かせるために部屋に上がっていった。




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