10年後ランボ君


「やれやれ、どうやら10年バズーカで10年前に呼び出されちまったみてーだな」

「なっ」

「きゃあ!」

「うそでしょ…」

白い煙の中から出てきたのはくせっ毛と甘いマスクが特徴的に男の人だった。

彼の話からすると、彼は10年後のランボ君ということになるのだが、今の面影は一切ない。
共通点をあえて言うならば牛柄の服と髪の質ぐらいだろうか。

前の年齢から見積もっても同い年ぐらいなはずなのに……流石外国人さんは大人っぽい。
愛海がきゃあっと可愛らしい声をあげたぐらいだから結構なイケメンのようだ。

「お久しぶり若きボンゴレ10代目、愛海さん。そして……」

彼は私の目の前にきて微笑みながら恭しく手を取った。

「え、ちょ」

「あなたにずっとお会いしたかった、夏実さん」

「え、や、何?どうなってんのコレ?」

その言葉を聞いて、彼はフッと微笑んでつらつらと10年バズーカとやらの説明を始めた。
どうやら5分間だけ、10年後の自分と入れ替われるらしい。
そんな夢のような代物をなぜランボ君のような子供が持っているのだろう……事実は小説よりも奇なり、である。

ぼけーっとしていたら、10年後ランボ君とやらはリボーン君に玉砕していた。
なにかありえないことが起きた気がするのは気にしない。

「うわぁああん!」

「おっと」

泣き喚き出した10年後ランボ君は私に抱きついてきた。

「ちょ、ちょっと」

顔が赤くなるのは不可抗力だ。
スキンシップの少ない日本では抱きつかれるなんて少ない。
イタリアにも、もう何年も行っていないのだし。

「……男なら泣くなって言ったでしょ」

「う……はい」

それから残りの数分間、私はぐずっているイケメンに抱きつかれることになってしまった。



そして戻ったランボ君は段々と我が家に馴染み、居候することになっていくのだった。

「ねぇ!夏実遊んでー!」

「はいはい、飴玉あげるからちょっと待っててね」

「うん!ランボさんいい子だから待ってるもんね!」




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