深夜の電話


料理上手な母の夕食を食べ、お風呂にゆったりと浸かり、やっと自分の部屋でくつろぐことが出来た。

「ねむー……」

課題も予習復習も明日の準備も終えて本格的に寝ようとしたそんな11時38分、部屋に我が学校の校歌が鳴り響いた。
これは彼からの着信だ。

枕の横に置いていた携帯を開くとそこには『雲雀恭弥』の文字が映し出されていた。
はぁ、とため息を吐いて通話ボタンを押す。
雲雀との電話はあまり好きではない。なぜかというと。

「なに?もう寝るんだけど」

『君の弟、』

こいつの携帯電話は一方通行なのかというほど人の言葉を聞かない、むしろ聞く気がない。
もう慣れたんだけど、やっぱりイラつくのは変わりない。

『今日放課後下着一枚で町中を歩き回ってたらしいね』

「はぁ?何言ってんの」

思ってもみない言葉が発せられて思わず口が悪くなる。

「つな……弟はそんなことはしないと思うんだけど」

『今日も無断で早退したらしいね』

「……みたいですね」

早く会話を終わらせたくて軽く返事をしていると、とんでもない一言が聞こえてきた。

『次やったら咬み殺すから』

「ちょ、ちょっと!……切りやがって、あのスズメ野郎」

携帯を見るとそこからは無機質な音が鳴ってているだけで。
これ以上悪態をついても仕方ないとため息を吐き、携帯を放り投げてベッドに沈む。

「綱吉がそんなこと……」

そう言いかけて、口を閉じる。

あのリボーンとかいう赤ん坊の家庭教師が関係あるかも。
ただの勘だが、私の勘はなぜかよく当たるのだ。

「明日、言わなきゃ」

そう心に決めて、私は眠りの世界に入り込んでいった。




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