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「あーー食った食った。もーおなかいっぱい!」

「終ーー了ォーー!!」

メンチがドラを叩く音が広場に大きく響き、二次試験前半は終了した。
合格者は70名。即ちブハラの腹に収まったグレイトスタンプも、きっかり70頭。
後ろに積み上がった骨の山を受験生たちは唖然とした表情で眺めていた。

化けモンか!?

受験生の思いは全く同じだった。

「おかしい……!妙だぞ!?明らかに奴の体積より食べた量の方が多い!!」

「いやそんなにマジで悩まれても……」

「アレだ、恐ろしく消化が早くて食べてる内に胃の中の食物が消化されていくんだよ、きっと」

「ルーシャも乗るな!」

「へーへー」

「しかし、腸で分解されるとはいえ、あの量だぞ!?あれを全て消化吸収したというのか!?恐ろしい……」

「おいクラピカ帰ってこい、思考から」

レオリオのツッコミでようやくクラピカは正気に戻った。いつもは真面目な彼は、時折こうして周りに突っ込まれるようなことを真剣に考えるところがある。
焼き上げた豚を試験官に出した直後、ルーシャはゴンとキルアの二人と再開を果たした。あの後ゴンが自分たちのために後方集団へ戻って来たことを知った彼女は、「自分のことを考えろよ」と、その行動に心底呆れながらも愛想笑いを浮かべたのであった。
そうやりとりをしている間に、メンチが次のメニューを発表した。

「二次試験後半。あたしのメニューは――――スシよ!!」

(スシ?って……)

ルーシャは首を傾げた。周りの受験生も知らないようで、聞き慣れない単語に頭を捻ってどんな料理か想像している。

「ふふん大分困ってるわね。ま、知らないのもムリないわ。小さな島国の民族料理だからね」

にやりと笑みを深くしながらメンチは受験生を建物の中に招いた。

「ヒントをあげるわ!中を見てごらんなさーーい!!」

そこは大きな調理場だった。恐らく料理に使うのであろう、まな板に包丁、白米、その他調味料などが準備されている。用意されているのはそれだけで、後は先程のように食材は自分たちでとってこいということらしい。

「なかなか楽しそうだなー」

「ルーシャは料理が好きなのか?」

「ああ、一通り出来るぞ」

「オレも!料理出来るよ!」

「へえ、どんなのだ?」

「う〜ん、いろいろあるけど一番は卵かけご飯!」

「それって料理なのか!?」

そんな会話をしている間に、メンチからスシに関する重要な手がかりが与えられた。

「そして最大のヒント!スシはスシでもニギリズシしか認めないわ!それじゃスタートよ!!あたしが満腹になった時点で試験は終了!!その間に何コ作ってきてもいいわよ」

その言葉を皮切りに、二次試験後半が始まった。

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