「えっ!?アンさんの兄貴も死んだ事あるのかよ!」


星矢が思わずあげた声に今度はアン達が驚く番だった。
そう言えばここにいるほとんどが一度は死んでいるのだと教えていなかったな。
アテナがアンに、少し前に冥王ハーデスの率いる冥界との聖戦が起こり、アテナを含めてほとんどの聖闘士が一度は死したが聖戦はアテナ軍の勝利に終わり冥王も死したのだが、さすがに死者を裁く冥界の王が死ぬと不都合も多いと、きっかけとなったアテナの降臨から此度の聖戦までのそれに関連して死んだ聖闘士や海闘士、冥闘士に再び命が与えられたのだ、と説明したら彼女らは目を丸くしていた。





「ふぇー、神様の力って凄いんだねぇ。」

「そりゃあ俺も実体を得る力を持てるわけだよな。」

「でも、みんな信念を持って戦っていたんだよね。」


アンに突然そんな事を言われた我々は皆一様にキョトンとしたのだが、アンはそんな事は意に介せず話し続けた。
愛と地上の平和を守る為に命を賭けて戦ったって言ったけど、それだって聖闘士の信念なんでしょ?と問われ、ムウやアイオリア達は照れ臭そうに頷いていた。



「うんうん、信念のある人って好きだなぁ。」


アンがニコニコとしながらそのような事を言ったせいで、何人かが少しではあるが頬を赤くしていた。
俺以外にもアンを気に入っている者は多いらしいようで、アンの言葉に顔がにやけている。


特にが。


確かにミロは確固たる信念を持っているが、蟹は信念など1μmも持ち合わせていないだろうが。




この場にいるアン達以外の誰もが、心の内でそう思ったであろう。






「それはそうと、エースのお部屋も用意しなければなりませんね。」


パンッ、と手を叩いてアテナがそう仰るとサガやシオン様が同調して頷いた。
エースは遠慮してなのかアンと同じ部屋でも構わないとか言っていたが、アテナの

「客室はまだまだ空いていますので遠慮なさらないでください。ここはあなた方の帰る場所なのですから。」

と言うお言葉に、エースはアンが昨日したように床に座り両拳を付けて『すまねェが妹共々世話になります。』と深々と頭を下げたのだった。



























『ねぇ、オヤジの魂って一緒にいなかった?』

『いねェよ!……今頃サッチやアイツと呑んだくれてんじゃねェのか。』

『…そうだね。オヤジもサッチも笑ってるかな?』

『……あぁ。きっと、な。』










5/5
   NovelTop


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -