そんなこんなで俺とルフィは色々話しながらのんびり歩いて、D家に到着した。

するとルフィが、ずっと繋いでいた手を離して家の中に走っていった。
夕飯が気になって我慢できずにいたんだろうな。
そんなルフィに思わず笑みが溢れる。
まったく……本当に可愛くて仕方ない。普段は比較的冷静なエースやクレアがルフィの事になると人が変わるのもよく分かるよ。









「サボーッ!何してんだ?早く来いよー!」

「おぅ!お邪魔します。」



ルフィに呼ばれた俺はそう返事をすると、リビングに足を向けた。
ガチャリとドアを開けると同時に鳴り響いたクラッカーの音に目を見張った。














「「「「サボ、誕生日おめでとう!!!」」」」





そこには、満面の笑顔で俺を見るエースとクレアとガープじいちゃん、そしてルフィがいた。
テーブルの上にはたくさんかつ大盛りのご馳走(この家族なら仕方ない)と、その真ん中には綺麗に飾り付けられたケーキが鎮座していて。
そのケーキに載ったチョコレートのプレートに書いてある文字を見て、今日がなんの日かをようやく思い出した。






「……そうか、今日誕生日だったっけ。」

「やっぱクレアが言った通りだな。」

「え?クレアが…?」



エース曰く、クレアが『サボは誕生日忘れてると思うからサプライズでパーティーをしよう』と提案してくれたらしい。
そして、じいちゃんまでもが賛同してくれて、こうして祝ってくれている。





「サボ、これ誕生日プレゼントなんだけど、受け取ってくれるかな?」


『もう持っていたら申し訳ないんだけど…』と言いながら手渡されたのは、さっきルフィがレイリーさんからクレアにと託された紙袋。
渡されたそれを開いてみると、俺がずっと探していた専門書だった。
たしかこれは半年〜1年程前に廃刊になっていて、この辺りの本屋には無かったはず………。






「クレア…これ。」

「前にサボがその専門書を欲しいって言ってたのを思い出して、レイリーさんに協力してもらってたんだ。それが見付かったの、昨日なんだよ。間に合って良かったよ。」




クレアは笑いながら、俺の隣に歩み寄ってきて『改めて…。誕生日おめでとう、サボ!』と言う言葉と共に背伸びをして、俺の頬にチュッとキスをしてくれたんだ。
そんな突拍子もない行動に思わず赤面してしまった俺……。


これじゃあ思春期に入りたてのガキじゃねェか……って、俺もまだ18だからじゅうぶんガキなんだけどな。






「…っ、クレア!?」

「クレアっ!おま…、何してんだよ!?」

「くふふっ、ほっぺにキスしただけだけど?良いでしょー、エースにだってしてるんだから。」




焦る俺とエースを見てよっぽど楽しいのか、クレアは悪戯が成功して喜んでる子供のような可愛い笑顔を見せてくれた。
何だか俺にとっては、本よりも嬉しい誕生日プレゼントになったんだ。







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