ACE SIDE
ルフィとクレアが連れ去られて、海賊貯金のありかを暴露される。
そう思ったおれとサボは大急ぎで場所を移し替える事にした。
だが、夕方近くになっても、ポルシェーミ達が来る気配が無い事に気付いたサボが様子を見に行った。
「よし終わった!!宝は全部移動させたぞ!!」
「エース!」
宝を隠し終えた時に、サボが帰ってきたから様子を聞いたおれは自分の耳を疑った。
「探しになんか来るわけねぇんだ!!…あのルフィってヤツとクレアってヤツ…まだ口を割ってねぇんだよ!!!」
「……え!?」
おれとサボの2人でヤツらのアジトに向かい、窓からコッソリ中を覗いてみると……体中から血を流して吊されてるルフィとクレアが目に入った。
「言わねぇ……!!言わね゙ぇ……!!」
と、うわのように言い張るルフィを庇うようにクレアが叫んだ。
「いくら殴られたって…私達は、ぜっだいに言わな゙い……っ!!」
金色の瞳に涙を浮かべながらも、必死に痛みに耐えるクレア。
そんなクレアを、ポルシェーミは下卑た笑みを浮かべて見やった。
「そこまで言うなら…弟を助けてやる代わりにお前が死ぬか?それとも…」
そこまで言うとポルシェーミがクレアの服に手を掛けようとしていた。
アイツまさか、ロリコンの気があんのか!?
それとも女が寄ってくるような外見じゃねェからこの際幼女でもいいってか!?
ともかくこのままじゃ危ねェ!って思うよりも先に体が動いていた。
おれとサボはドアを叩き壊して突入した。
突然響いた轟音に驚いたルフィはおれを見つけると安心したのか目から大粒の涙をこぼし始めた。
サボと共闘してポルシェーミを地面に叩きつける。
その隙にサボが下っ端からナイフを奪い取ると、ルフィとクレアを括り付けていたロープを切って、まずクレアに手を貸して立たせてから、クレア以上にボロボロになって動けなさそうなルフィを抱き上げた。
「逃げるぞエース!!!」
「先に行け!!!一度向き合ったら、おれは逃げない……!!!」
逃げるのは性にあわねェんだよ。
「エース!私もやる。」
「クレア!!お前も逃げろ!」
「借りがあるんだよ…ルフィを頼む!」
サボにそう頼むとクレアはグッと腰を低くしてポルシェーミと向き合った。
ポルシェーミはおれに向かって剣を振りかざし、おれも渾身の力を込めて鉄パイプを振り下ろした。
ガキィィン!と大きな音を立てて鉄パイプが斬られ、剣の切っ先がおれの額を掠めた。
「やぁめろぉぉっっ!!!」
クレアが叫ぶと同時に物凄い殺気がゴォッ!と広がり、その場にいた海賊たちが白目を剥いてバタバタと倒れ始めた。
ポルシェーミも同様に、泡を吹いて倒れちまった…。
クレアはいったい…何をしたっていうんだ?
疑問は残るが今はここでぼさっとしてる訳にはいかない。
そう思って、けがをしているクレアを抱き上げてその場を走って逃げた。
Act:01 End
→あとがき