▼バレンタインがあるという捏造

▼その他色々想像、捏造。大目に見てやってください

▼彼女はリゼンブールに居る幼なじみ











「あ、エド?」

「おう。電話なんて珍しいな」

「ほらエドの声聞きたいと思って」

「お前そういうの似合わねー」

「ひどぉい……でもエドの声またかっこよくなった気がして、なんかぞくぞくする」

「お前なあ」

「だって本当だもん」

「あーはいはい、ありがとな。んで本題は?」

「何その適当すぎる返事」

「本題は?オレ、眠たいんだけど」

「ああ通りで!……徹夜してるの?」

「ん、あ。まあな」

「無理、しないでね」

「ああ、ありがと」

「今のは心込もってたね」

「うるさい」

「へへっ。まあ本題なんだけどー。今泊まってるホテルの住所教えて」

「住所?なんで」

「物を送りつけるからに決まってるでしょう」

「何送る気だよ」

「いやまあバレンタインが近いですから?」

「くれんのかよ」

「一応ね。あ、因みに本命だから」

「知ってる」

「だよね。ウィンリィのアップルパイほど美味しくは作れないけどね」

「知ってる」

「うわ失礼!あ、あとさ」

「ん?」

「中央からリゼンブールまで汽車の運賃どのくらい?」

「運賃は10000センズちょっとだけど――こっち来んのか?」

「いや参考までに」

「何の」

「バレンタインのお菓子に掛ける金額」

「意味分かんねえ」

「ホワイトデーは二倍返しの法則の話」

「は?」

「エドの鈍感! だからつまりね、私は5000センズの物をプレゼントするからホワイトデーには二倍分のお返し……リゼンブールに帰って来て」

「……」

「もうなんでここまで言わなきゃいけないの!」

「ああ、ごめん」

「ねえ。中央の洒落た高級な贈り物なんて要らないからさ、帰って来てよ」

「ごめん、な」

「それは何に対して?」

「電話口で泣いてるお前に対して」

「……やっぱりバレてた?」

「強がんなよ。悪いのはオレだし」

「ううん、エドは悪くないよ。私だって二人に体取り戻してもらいたいし。エドに笑っててほしいし。悪いのは世界が大きすぎるってことだよ」

「そう、だな」

「だからこれは私のワガママ。……会いたいよ」

「俺も会いたい」

「ふふっ。じゃあ同じ思いの二人
を隔てるのはこの距離だけね」

「疎ましいな」

「じゃあバレンタイン、楽しみにしてて」

「期待してる」

「私も」

「なあ」

「うん、言おうとしてることは分かるから。私もだよ。けど言わないで。柄にもなく切なくなっちゃうから」

「じゃあ今度そっちに帰った時、飽きるくらい言ってやるよ」

「うわあ何それ、幸せじゃない」

「だろ? じゃあおやすみ」

「おやすみ。体とか気をつけてよね」



ミルキーウェイの通行料



*****
会話文ばっかですいません。ていうかいつまでお前の頭ん中バレンタインなんだよって話ですよね。
多分これでバレンタインネタは終わり、なはず!
お粗末でした。

100221
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テーマ「人外ファンタジー」
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