彼氏にあげるのがトリュフって、やっぱり可愛げないかなあ。でもガトーショコラとかフォンダンショコラとかそういう難しいものは作れそうにない。うん、自分の力量を考えたらこれが目一杯。 トリュフを形成し終わっると同時に結論を出す。さっきから私の横で出来上がりを待っている慎吾が、美味しそうと声を上げた。リビングで座っててって言ったのに。何だか恥ずかしいな。 もうちょっと待っててね、と言い残し手を洗うため蛇口を捻る。あとはココアをまぶすだけ! 「……ちょっとなに?」 いきなり手首を掴まれて、慎吾の方にグッと引き寄せられた。 「ん? 味見」 私が言葉を発するより早く、慎吾の口元に手が寄せられる。そして伸びてきた舌がぬるり、私の手に付いたチョコをぬぐった。 「……っ!」 味見とか言っておきながら、慎吾の舌は動くことをやめない。 「慎吾っ、もうやだ」 掴まれていない左手で押し退けようとしたが、そりゃあもう、いとも簡単に左手も捕まってしまった。 「慎吾ぉ……」 ぬるり、ぺろり。手のひらの真ん中を、指の間の隙間を、舌が行き来する。ぞく、ぞくり。ああそういえば、誰かが手は性感帯だとか言ってた気がする。 チョコを舐め取られすっかり露になった私の素肌。 「美味しい」 「……」 「滅入っちゃった?」 「……」 「あ、唇も欲しくなった?」 「……ばか」 「また強がって」 耳元で低く囁かれ唇が重なって、また一気に体温が上昇。こういうことをされると、やっぱり慎吾は女の子の扱いが上手いなあと思う。 ああどうしよう、なんでだろう。幸せだとか感じちゃうなんて。 上昇した微熱がその答えを知っている ***** バレンタイン第三弾! 慎吾さんは初めて書きました。キャラがいまいち掴めない…… タイトル、3/19 100218 |