こくりこくりと揺れるなまえ。よほど眠たいのだろう。時々思い出したように姿勢を正すものの、すぐにまた下がる頭が何だか可愛くて、愛しい。誕生日プレゼントだと言って渡してくれたマフラーを編むのに無理したんだろうか。本当に眠たそうだ。 「なまえ、もう寝よ」 さっきまで縦に振っていた頭を横に振るなまえ。そんなん言ったって目が虚ろじゃんか。ムキになるの分かってるから言わないけどさ。 「折角の孝介と二人で過ごせる貴重な時間だもん。もっともっと満喫したい……」 ほんと可愛い。何でこんな可愛いの。なまえの言動はひとつひとつが素直すぎて、隣に居ると浄化されていくというか、充たされていく気がする。 「孝介だってほら……し、たかったりするんでしょ?」 なまえからそんなことを言われるなんて想像もしていなかったから、驚きを隠せず、言葉がすらすらと紡げない。まあ俺も男なんだし、思春期真っ盛りだし、やりたいって気持ちは確かにあるんだけどさあ。 「俺はこれで充分」 ぱたんと向かい合わせに倒れ込む。閉じ込めるように腕を回せば、なまえは少し照れたように俺の胸に顔を埋める。 「嘘つき……我慢してるくせに。――でも今はその我慢に甘えちゃおうか、な」 そう言ってすぐに、寝息が聞こえてくる。やっぱり相当眠かったんじゃないか。しかも嘘つきってなんだよ。時々肌を掠める細い髪。腕から伝わってくる体温。何もかもが。俺を呆れるくらいの満足感でいっぱいにするのに。 朝起きたらまず、愛を謳ってみようか。 (陳腐で安っぽく聞こえるのもご愛敬) ***** 泉はっぴーばすでー! 君と会えたことが嬉しくて堪らんのです(^^) にしても誕生日に絡んでない話ですね 一文マフラーの下りがあるだけじゃないか…! 091129 IZUMI BIRTHDAY! |