二酸化炭素が行き来する。苦しいくらいがちょうどいいの。もっともっと。
君の舌がこんにちは。今日も暴れたい気分ですか?私は一向に構いませんよ。もっともっと。 

幸せに神経がちょっとずつ冒されていってた時だった。突然、口の中に鈍い痛みが走る。思わず、下を向いてしまった。

「口内炎?」

「そう。痛いからあんまし触らないでね」

「キスはするんだ?」

「だって心地いいんだもの」

痛みの原因はここ数日悩まされてる口内炎。食事の時とか、いちいち私を刺激してくるから迷惑。そんなこと考えてる内に、また唇が合わさる。意識が口内炎にいってしまい、さっきほど心地よくない。くそう、口内炎め。
それでも心地いいことは確かで、段々と眠たくなってくるような、そんな感覚に陥った。エンヴィーの手が後頭部をキュッと押さえる。つくづく私を喜ばせるのが上手いなあと思う。と、また痛みが来た。後頭部を押さえられてるから、逃げられない。執拗に口内の出っぱりを舌でつつかれて、涙が少し滲む。やっとのことで離された唇から粘りのある唾液が伝った。エンヴィーはにやり。

「ちょっとエンヴィー」

「気持ちよかったでしょ?」

「痛かった」

「それがいいんじゃない。いつもとは違うなまえの顔、すっごいそそる」

「サディスト……」

「今更?」

またあの痛み。どうやら暫く、この時間は続くようです。


キスの深淵で垣間見るもの


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急いで書いたから変だ…
でもネタ的にはずっと書きたかったやつだから形に出来て良かった


091116
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