青峰は桐皇に入り、俺は海常に入った。本当は同じ高校に入りたかった、でも青いユニフォーム、青い制服。この二つを見た瞬間、嗚呼、此処だ。と決めてしまったのだ。

「お前そんな理由で高校決めたのか」
そう言って俺の目を深い青色の目が捕らえる。真っすぐ過ぎて反らしたくなるが、その青い目に黄色が写るのがうれしくて、反らせなかった。

「そうっスよ。青峰っちの色っスから」
ただそれだけだった。青峰には黒い影の相棒がいる。だから青峰は俺一人のものじゃない。ならばこの色ぐらいは独り占めしたかったんだ。顔を一瞬歪めた青峰は俺の頭を撫でた。一瞬何がしたいのか分からなかったし、顔を歪めた意味も分からなかった。ただ、引かれたんだろうな、ということはなんとなくわかった。

「…お前さぁ、俺がお前を好きなこと忘れてねぇ?」
それは勿論覚えていた。半年前に青峰から好きだと言われたことも、愛し合ったことも。だけど青峰には黒子の存在があった。俺がしたかったことを全てやってみせる黒子と、それに答えるように笑顔を見せる青峰を見るのが辛かった。だから青峰の好きが信じられなくなっていた。我ながら面倒臭い奴だな、とも思っていた。だけどもこの思考は変えられなかった。黙って俯く俺を見兼ねたのか青峰が俺を抱きしめてきた。青峰の体温が俺を包む。嬉しさと暖かさで何かが込み上げてくるような気がした。込み上げてきたのは涙だったらしく、じわりと青峰の服に染みを作った。ゆっくり頭を撫でてくれる手はいつもはバスケットボールをキャッチして、片手でダンクをするあの大きな手なんだな、と感じると余計に涙が出てきた。

「青峰、」
ん?と頭を撫でながら笑いかける青峰が愛しくて、大好きで、胸がきゅう、っと締め付けられる気がした。だけど二人とも言葉を発することはなかった。好きだ、とか、愛してる、とか、そんなのが要らなくなるぐらい、青峰から、俺から愛してるが、大好きが溢れてたから。この愛この部屋が埋めつくされて、窒息死できたら、どれだけ幸せなんだろう。


大好きはやまない
君からの愛で窒息死できたらどれだけ幸せなんだろう。
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