「くろこっち!!俺、もうしょーがくせーっスよ!!」
「はい、分かりました。すみませんがもうすこし静かにしてくれませんか?視線がいたいです。」
ぎゃあぎゃあ喚く黄瀬の隣には黒子が座っていた。きっと黒子は隣なんかになりたくなかったのだろうが「き」と「く」では名前の順で隣にならない筈がなかった。小学生とは思えない冷静な態度で黄瀬を静めようとするがいつまで経っても喋ってばかりだった。
「黄瀬、静かにしろ。今は入学式だ。後で話は笠松センパイに聞いてもらえ。」
痺れを切らしたように一番前から赤司が歩いてきた。やはり赤司には逆らえないのかわかったっス…。としょぼんとしたように肩を落とす姿を見ていたが頭の犬耳が垂れたような気がしたのはやはり気の所為だった。
長々しい校長先生の話も終わり、キセキの六人が見事に揃った一年六組の教室に向かっていたとき、髪の色が他とは全く違う六人が後ろから騒ぎながら歩いてきた。
「あ、みんなクラス同じっスね!!」
「黄瀬と同じクラスだなんてごめんなのだよ。」
「あァ?俺はおっぱいでかいやつがいねぇからなんでもいいや」
「室ちんおかしまだぁー」
「みなさん、何でしずかにできないんですか」
「言っても無駄だよ、黒子」
このクラスの担任になる人は心底大変なんだろうなと思った一日だった。