最低がいい

※「最低と言われた」の続編。性描写あり。(本好くんが病んでる)







 頬が腫れてきた。口の中が切れてるみたいで痛い。家に帰れば腫れた頬を見てまた虐められたの、情けないと母親が決まり言葉を吐いたが今日ばかりは気にならなかった。二階の自室に駆け上がって扉に鍵を掛ける。何かの景品だったこの部屋唯一の手鏡で頬を見れば思ったよりは腫れていなかった。力一杯殴られたと思ったけど美っちゃんにしては力を抜いたのかも知れない。以前僕を虐めて美っちゃんが返り討ちにした上級生はもっと腫れていた様に思う。そっと頬に指先で触れた。ズキンと痛んで美っちゃんの怒りと驚きを含んだ顔を思い出す。指の腹を着けて内出血を確かめるように触れる。ズキンと痛んで美っちゃんの拳を思い出す。痛みを確かめる様に腫れを押した。ズキンと一際痛んでオレを怒鳴り付けた美っちゃんを思い出す。腰が浮く。美っちゃん、美っちゃん美っちゃん美っちゃん美っちゃん美っちゃん、の拳痛くて、オレを、殴った、美っちゃんが。いつも優しい美っちゃんがオレを、殴った。腫れの痛みを堪能するように強く強く頬を押した。痛くて涙が出る。背筋が震えて身体が熱くなる。美っちゃんに最低だって言われた。美っちゃんに怒られた。痛い。熱い。熱い。熱い。熱い。
 美っちゃんに殴られた所を何度も床にぶつけて擦り付けて痛みを大事に味わいながら両手でペニスを握って初めてマスターベーションをした。美っちゃんに殴られた痛みを鮮明に思い出せば出すほどペニスは硬くなって身体は熱くなった。どうすればマスターベーションが終わるのかわからなくて、でも身体は熱くて。美っちゃんのことを考えてペニスに爪を立てたりした。床が精液で汚れているのを見てそれが美っちゃんのだったらなあと思ってぶつけすぎて美っちゃんに殴られた時より倍ほど腫れ上がった顔を精液に埋めた。嘗めた。殴られて切れた口の中に精液を含んだ。滲みる、痛い。美っちゃんはあのあと女の子とどうしたのだろう。女の子はたぶん美っちゃんの好みだったから抱き締めたりしてるのだろうか。精液は臭い。精液にまみれた醜い顔を床に擦り付けた。痛い。長い髪が床に貼り付く、美っちゃん。美っちゃん。オレは美っちゃんにもし抱き締められたりしたら死んでしまうから、また殴って欲しい。その方が美っちゃんの形がオレの身体にちゃんと残るから。






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