隠し事みっつ

※「隠し事ふたつ」と続いてるようなないような。







 シュージンは何でも知りたがる。日常の些細な事から思考、行動。オレに関する事なら全部知りたがると言ってもいい。二人でコンビを組んで間もない頃、サイコーのことをもっと知りたいんだ、なんて言ってオレのアルバムを見に家に押し掛けて来たときは正直引いた。シュージンに詮索されることはもう日常。高校生になっても選択授業は一緒のものを選んでシュージンとずっと一緒にいる。他人とベタベタした関係なんて大嫌いなオレがシュージンにそれを許すのはシュージンに信頼があり、才能に惚れているからだ。例えばだ、シュージンくらいの才能があれば脚本家として一人でやっていくことも可能だろう。でもそれは許さない。シュージンを離すくらいならベタベタした友情ごっこにも付き合ってやるさ。お前の才能はオレが握ってるんだぜ。
 新妻エイジに福田さん、中井さんと先に知り合いになったのが僕で良かった。シュージンの才能を他には見せたくない。先にシュージンが彼らと知り合えば世渡りの上手いアイツの事だ、どんどん漫画家たちと交流を広げて行くだろう。それは許さない。お前は世界を知らなくていい。オレだけを見ていろ。
 お前はオレの事を誰より知ってるだろう。けどお前の気持ちはオレが誰より知ってる。気付くな気付くな気付くな。お前をオレの手の内に入れておく手段はいくらだって用意できる。そうだろう?お前もオレを離したくないと思ってる。知らないと思ってるだろう?あの夜は手を繋ぎたがってた、あの日は抱き締めたがってた、あの時、オレにキスした。
 お前を繋いでおく為なら、知らないフリを続けてやる。だから、離さない。絶対に。




090921
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