どれくらいとかわからないほどに(新平)


「黙ってたら女性に好かれそうなのに。」

俺の手を触りながら新妻は微笑んでいた。なにがそんなに嬉しいのか全くわからないけど不自由になった左手を見て若干眉を潜める。めんどくさい。なんかもう全部投げ出したい。裸族になりたい
流石にそんなことしたら新妻に両手をあわしていただきますされるのは目にみえてるからしないけど

「黙ってなくたって結構好かれるですよ?」

まさかの返答に軽くビックリしながらもおかしくはないか、と思った。色々独特な新妻だけど、たしかに可愛い部類に分類される男子だしマスコット的に愛されるだろう。あたふたしてる姿を想像したらなんか笑えた

「なに笑ってるですか!僕告白だってラブレターだって貰ったことあります!」

「え、い いやだ!なに貰ってるの?!俺というものがありながら!」

「ぐえっ、し、死ぬです!普通に!首しめ ないでくださ…っ」

なんか。凄い腹がたつ。
新妻が悪いんじゃないけど、何か嫌だ。
何故って新妻がラブレターとか告白とかされてるの想像したら凄く嫌だ。なにこれ俗にいう独占欲?
ギリギリしめつけていた首を解放してやると新妻は大げさなほどに咳き込んで笑った
へらへらするな。ふん

「でも、毎回ごめんなさいしてます」

「いいですよとか言ってみろ、殴る蹴るの暴行をくわえてやる」

キッと睨むと新妻は何が可笑しいのかにこにこと笑う。腹がたつ!

「やきもちさんですね」

「ちがう。嫌なだけだ」

「…もー かーわーいーいーでーすー」

触っていた左手を引かれ、新妻の胸にダイブ

「な、なななに…!?」

「僕いっつも可愛い恋人がいるのでって言ってごめんなさいしてるです」

「…」

「僕には平丸さん以上はいないので」

「○×@§℃¥¢@〜っ!」


声なんかでるはずもなくて真っ赤なまま新妻の肩に頭突きを何回もしてたら新妻の肩が脱臼した。
照れ隠しにきまってるだろ。すき

どれくらいとかあらわせないほどに



失踪透子ちゃんより)