「いろいろ調べたんですけど」



神威くんが、初めて遅刻をした。今まで彼は朝から放課後まで必ずいたから少しだけ心配していたけど。



「う、うんおはよう」

「メスブタにはなれないです」

「…はい?」

「おれオスだから、ごめんね」



にこり、と笑う神威くん。
ええと、メスブタってどういう…まあメスブタですよね。女の人に向かって、このメスブタがああ!みたいな。ブタって…ブタって…つかそれ調べて遅刻したのかな。



「Mとして何をするべきかわからないんです」

「いやべつに結構ですけども。わかってたらこわいし、うん」

「いっつも言う側だったし、する側だったし」

「………は?」



にこにこ笑う神威くん。が、初めて目を開いた。大きくて丸い青い目。ぞくりとする。
でも神威くんはまたにこりと笑って、わたしの方にすっと手を伸ばした。



「白髪ありますけど」

「ちょっ…ぬ、抜いてもらっていい?」



笑顔のまま頷いた神威くん。ぷちん、となにかが抜けた感じ。その瞬間つむっていた目をあけると、神威くんはやっぱり目を開けていて、でもにこりと笑った。





110925




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