この変態は泣いても笑ってもわたしの隣の席である。
相変わらずクラスメイトに存在を認めてもらえておらず、しかしにこにこ笑顔で、授業中それ以外問わずつねにわたしの方を見ている。



「変人なんて、失礼な」

「かする程度に心読むのやめてもらいたいんですけども。それともわざとですか」

「おれはただ、なかよくするために必要かなって思っただけなんです」



にこにこにこにこ。
こいつまじ話通じねえ。というより、なかよくするために性癖知りたいんですって革新的すぎてわたしまだついていけてないんですけど神威くん。ちなみについていく気はない。



「いい加減教えてくださいよ」

「いやいやいや」



半笑いで無理矢理この会話から離脱しようとした瞬間、かすかに風が吹いた。そしてぴたりと顎の下でなにかが止まる。肌色。
ゆっくりと視線をあげると、その先には神威くん。



「!!」



脳裏を過ぎる謹慎の理由。ものすごい速さで立ち上がって、彼の手の届く範囲から逃げた。えっわたしもしかして怒らせた!?えっ!?
しかし相変わらずにこにこ顔の神威くん。



「名字さんはSかー」

「……は?」

「いまの、心理テストなんです」



とりあえず今ので逃げない人間がいたら確実にドMだとは思うけども。





110921
顎の下に手をおいて、乗せたらM、乗せなかったらSのあれ





人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -