ここ何日か私はろくにご飯も食べないくらい本気で考えていた。何を。それはもちろん、日番谷隊長とのうっうわさである。ていうか、隊長を見るとなぜか心臓がやたら働いてくれちゃうことについて。持ち主より働き者ってどゆこと。まあいい、私はとにかく考えているのだ。どのくらい考えているのかっていうと、山田にもらったチョコと、なぜか今草鹿副隊長にもらったこんぺいとうくらいしか食べてないくらいである。


「ねぇねぇおいしー?」
「おっおいしいです」
「だよねー!ひっつーまだかなあ」
「ひっつー?ひっつー…あ、隊長ならもう少ししたらおもどりになると」


ぱくぱくとこんぺいとうをほおばる草鹿副隊長。それも、私の膝の上である。軽いしかわいいし乗ることは全然いいんだけど、なぜ私。そしてよりによって今日は報告書を書かなくちゃいけない。しかし私は今草鹿副隊長のイス…!ちなみにこんぺいとうで買収されたわけではない、断じて。
まあともかく私は今草鹿副隊長のイスなのであって、仕事はできない。だからこうしてじっくり自分探し?をしていられるわけだ。


「ねぇねぇ」
「はいっ」
「もしかして、ひっつーの彼女さん?」
「っげほ!!ごほ!!!」


草鹿副隊長の突然のお言葉におもいっきりむせた。草鹿副隊長はというと、なにかを予感したのかすでに私の背中にうつっていた。なんて身のこなしの早い…じゃないよ。すぐ脱線するのが私の悪いくせじゃないか。学習能力がないんじゃないってゆっちゃんも言ってた。簡単にいうとばかって言われた。ううう。だからいっつも日番谷隊長に怒られて


「ってまた脱線してるうううう!」
「にぎやかだねぇ」
「あ、ありがとうございま…すみません草鹿副隊長あの」
「なにー?」
「日番谷隊長と付き合ってるって噂だれからきいたんですか…?」


草鹿副隊長はぱちぱち、とまばたきをしながらこんぺいとうをほおばった。かわいい。山田からもらったチョコ食べるかな。食べたらかわいいな。紙をむいて差し出すと、草鹿副隊長はぱくんと噛みついた。むぐむぐと口を動かしてそれを食べると、副隊長はにっこり笑った。


「おいしー!」
「かわい、あっすみません失礼なことを!」
「チョコくれたからいいよ!あ、そろそろ剣ちゃん起きるからかえんなきゃ!またねー」
「あっはい!」


ぱたぱたーっと走りさる草鹿副隊長のなんてかわいいこと。いつのまにだかメロメロにさせられちまったぜ…ったく、罪なオンナだなあ。いや何キャラだよ私!なーんてね。ははっ。…あ。やばい日番谷隊長が帰ってくる前に報告書書かなきゃ。草鹿副隊長とおしゃべりしてましたーなんてどんな部下だ。
…草鹿副隊長に噂の出所聞き忘れ、た。
っていうかもしかして副隊長の耳に入るくらいの噂ってことは、日番谷隊長の耳に入るの時間の問題なんじゃね?…私終わった。あとおなかへった。





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