マリアに聞いた。最近私がおかしいって、P子が心配してるらしい。それで星も、確かになって。じんと胸の奥がいたくなった。だって星は、P子に言われるまで気づかなかったんでしょ?星に気づいてほしかった。星に、心配してほしかった。


「大丈夫だってば」


へらへら笑う私に、P子は心配そうにでも、というだけだった。星は私をじいっと見ている。私も星を見た。けど、耐え切れなくなってなに?と聞くと、星は首をひねる。
私はなぜだか身構えてしまって、さらに笑顔を濃くした。星に気づいてほしいのに、おくびょうな私はそれを拒否する。


「お前さあ」


最近、あんま笑わなくね?
さも当たり前のように、そういう星が。「そう?」なんて聞き返すけど、少し、こわくて。見ていてほしいのにこんな私は見てほしくなくて、こんなきたない私は、映してほしくなくて。いやで。きたない部分は見ないでほしくて。でも見ていてほしくて。


「星が前よりよくスベるからじゃない?」
「なっ!!」
「笑ってほしいなら笑わせてごらん」


笑って、口ばかりがよくまわる。星はわかりやすくショックをうけた顔をして、すぐにぎゃあぎゃあ騒ぎはじめた。軽くあしらいながら、でも私の笑顔は変わらない。変われない。だって私の笑顔は、星の前じゃぺたりと張りついてとれないのだ。昔みたいに笑おうとしたけど、よくわからなくて。
星は目をつりあげて私に絡んでくる。「ほらアンタこそ笑いなさいよ」口からぽたりと落ちた言葉は久しぶりの本音だったのだけど、星はやっぱり「うるせェ!」と言って私を小突いただけだった。





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